恋謳こいうた
ここは主に「恋」「愛」などといった
恋愛に関する詩を掲載しております
失恋の歌も紛れ込んだりしますので
嫌いな方はスルーしてください
『雫』 『それだけの違い』 『道導』
『右寄りの娘』 『僕は君を見る』 『光が呼んだ闇』
『あと』 『独り夢見し』 『雪の花』 『名』 『夢』
『月に雲』1/11
『時』1/11
『時』 青鞠
初めて口にしたその言葉
君は頬を染め嬉々とした
その姿に僕もまた喜々とした
謳いなれたその言葉
君は返杯するように笑顔で言葉を返す
その言葉に僕も酔い笑顔になった
哀願するようなその言葉
君は涙目で一瞥し振り返る
その涙に僕は俯くしかなった
過去形となったその言葉
君は時の止まった額の中変わらず微笑む
その笑顔に僕は無くした時を悔やんだ
『月に雲』 白鷺
探り合う熱に
思い出が交差して
蘇る景色に
今の自分を重ねていた
君の痛みが分かると
浮ついた言葉だけを並べては
厭世観に囚われてみた
『夢』 青鞠
夢との境をなくした日
その夜眠れることなく
無き夢に代わり
思い馳せそれを夢にす
不意に夢が終わる日
その夜眠れることなく
無き夢を省み
思い馳せた夢に乞う
『名』 青鞠
その名でなくては何も満たさず
その名だけが私の蛇口を捻る
わずかに捻られたはずがその水は溢れ
私の瞳をも濡らすから
鏡の中の私の心中を知る
その名は私を開く鍵
その名によって私は開かれ
私は流れ出しそうになる物を
その手で塞き止め掻き回す
ここにはいない貴方を想い
ふと勿体無さと切なさを覚え
また繰り返す
『雪の花』 シルク
『独り夢見し』 青鞠
哀訴する私
微笑み振り返る貴方
返事なく扉はしまる
悲痛想いその場に残し
温もり残るベットに眠る
『あと』 青鞠
何かしたいことがあるわけじゃなくて
何かしなければならないことがあるわけじゃなくて
ただ
憂鬱ではないけれど少しだけさびしくて
何も無いこの部屋から
チクタクチクタク…
時計の音だけが無気味に無機質に響いて
その音を聞きいていると
のんびり時間を過ごすというより
ただ時間だけが無意味に過ぎているような気がして
ふと視線を移したとき
そこに残る1つの新しい模様に
ここにいない貴方の姿を思い
また少しだけ寂しくなった
『光が呼んだ闇』 白鷺
光が連れてきた闇の中で僕は常に震えていた
流れ落ちる涙を隠し小さな息だけ露呈した
光に誘われた闇の中で君はいつでも笑っていた
それは何より苦しくてどんな泣き顔より切なかった
光が差し込む闇の中で僕は不意に気付いてしまった
自ら呪縛の中に身を投げたことに
そして世界はこんなに光に満ち溢れていることに
光に満たされた闇の中で君は永別の存在となった
閑散としたこの場所で
僕は次の幸せを探している
『僕は君を見る』 青鞠
愛憎の念を込め
僕は君を見る
君は快なる多くを僕に与え
君は不確かなる多くを僕に与える
それらが混濁し索漠する感情は
いかなる刃によるそれよりも
苦痛を伴い僕を裂く
愛憎の念を込め
僕は君を見る
『右寄りの娘』 白鷺
共有が幸せだとは限らない
遠いことが不幸だとは必ずしも言えない
ただ着かず離れずが恋の術でも
そばにいたいのが
あちら側の主張である
『道導』 白鷺
一枚の羽根を拾い上げても
それは貴方ではないし
しかしそこに残る今の想いと
過去に作り上げた景色のひとかけらに
私は何の悔いもない
それは貴方に届くはずであった
愛という名の慕情であって
私のたどった行程の中では
なんら寄り道なんかではない
『それだけの違い』 青鞠
最初は何も無かった
だから最初に戻っただけ
私の想いはもう届かない
貴方は今笑っている
それだけが最初との違い
たったそれだけのことなのに
涙が
止まらない
『雫』 白鷺 窓に書いた好きという文字は 涙を流すように消えて雫になった 砂に託した逢いたいという想いは 母の温もりのように 包んではくれなかった 