オレが女になってから2週間が経ちました。が、一向に元に戻る事が出来ません。
と、言うか兄さんに例の料理の原材料と製作過程を聞いたら諦めの気持ちが湧いてきました。
それだけでもむかつくのに、恋人(男)に女になった事話したら近づくどころか目も合わしてくれなくなりました。
おかげで気分は最悪です

……尊先輩のバカ。


クッキングパニック■女性化編■

 「…天国。よく似合ってるな。」
同情の眼差しを向けつつ、沢松はそう言ってくれるが全然嬉しくない。
何が悲しくてギャクでもないのにセーラー服着なきゃなんないんだ?

 結局、いつまで経っても男に戻れないし、戻る方法も見つからなかった。
開き直ったオレはこれからの人生を女として生きていく事を選んだ。
姉さんや沢松は止めようとしたけど、他に方法が無いと知ると渋々納得してくれた。
兄さんだけは乗り気で賛成したけどな…誰の所為でこうなったと思ってんだよ?
戸籍や学校は兄さんの方が何とかすると言っていたので任せる事にした。(実際、何とかできるだろうし)

 と、言うわけで今日からオレは女生徒として登校する事になった。
 「沢松、やっぱ野球部止めなきゃダメか?」
 「当たり前だろ。」
 「『急に女になったから部活出来ません』って言って信じてくれるか?」
 「実際そうなんだから仕方ないだろ。」
 「ヒゲには男だった時にも尻揉まれたり、体中触られてたんだぞ。
  絶対『本当に女かどうか確認するから体見せろ』って言うぜ…行きたくない」
 「…(汗)。ヤバクなったら助けてやるから我慢しろ」
 「絶対だぞ。…それにしても野球部の奴ら驚くだろうな。」
 「……驚くより喜ぶと思うけどな。」
 「???」

 …ヒゲの野郎に退部の旨を伝えに言ったら、予想通り『本当に女になったか調べてやるから脱げ』って言われた(泣)
服の上から胸や尻を揉まれたり、しまいにゃ無理矢理裸にされそうになったけど沢松の助けによって事無き事を得た。
…これからは一人でヒゲに近寄るのは絶対によそう
で、結局野球部はマネージャーとして残る事にした。
野球部の奴らに女になった事を教えたら、沢松の言った通り喜んでるし・・・

 「兄ちゃん、ホントに姉ちゃんになってる。抱き心地最高〜vv」
スバガキ、頼むから抱きつくふりして変なとこ触らないでくれ(泣)
 「それにしても興味深いですね。今度研究させてくれませんか?」
人をモルモット扱いするな! で、何の研究をする気だ辰羅川?
 「女になってますます可愛くなったZe」
とか言いつつ肩に手を回すなバンダナ
 「これで法律もOKなのだ」
 「そうだね、わざわざ裏に手を回す必要がなくなったよ」
 「何の障害もなかとね」
…鹿目先輩にキャプテンに猪里先輩、何を話してるんですか?(滝汗)
なんか黒いオーラ漂ってるし…あの三人に近づくのは止めとこ
 「あ…」
尊先輩またオレが見るとすぐに逃げた…
恋人が他の奴に囲まれてるのに何も思わないのか…?
…ホントはオレのこと好きじゃないとか?
有り得る、付き合い始めたのは強引にオレが押し切ったからだし、
『好き』って言ってるのオレだけだし……
……尊先輩はオレのワガママに付き合ってくれてるだけ?


 「なあ、どうすればいいと思う?」
 「……」
1週間ほど経ったけど、まだ尊先輩はオレを無視したまま。
どうしてか理由を聞こうとするけど、オレの姿を見ただけで逃げるから捕まえる事が出来ない。
仕方ないから沢松に相談してみたら固まりやがった。
 「おーい、沢松。何で固まってんだ、ボケでも始まったか?」
 「んな訳ないだろ!オマエがあの蛇神先輩と付き合ってるって聞いて、つい現実逃避しただけだ!」
 「何で現実逃避するんだよ!」
 「わ、悪かった…謝るから首を締めるな。あの先輩は世俗の事に興味なさそうだったからつい…」
…反論できない
 「尊先輩ってオレの事嫌いなのかな?」
よく考えたら、尊先輩に『好き』だと言われた事は一度も無いし…
 「…嫌いな奴のワガママに付き合う物好きはそういねえよ。多分、オマエの事を嫌ってないと思うから、そう考え込むなよ」
 「そうだったらいいんだけどな……」
 「…言ってる傍から考え込むなよ。」
 「もういい、先に教室戻る。」
 「あ、そうだ。オマエの悩みとは関係ねえけど、最近野球部の奴らのファンがオマエに目をつけてるらしいぜ。」
 「何で?」
 「オマエ、よく野球部の奴らに言い寄られてるだろ。それが連中は気に入らないんだと。
  何か仕掛けてくるかもしれないから注意しろよ。」
 「わかった。」
そう言いながらも、その時のオレは沢松の忠告を気に止めてはいなかった。
その所為であんな目に合うことも知りもしないで…


続く