好きな作品
上のポスターは、1962年34歳という著さで夭折したフランスの現代作家
イブ・クラインの日本で初めて開催された回顧展のものである。
イブ・クラインが実際に美術家として活躍したのは、1950年代後半から
その死までの数年間にすぎないが、その間モノクローム(単色)絵画をは
じめ、「人体測定」や「火」のシリーズなど、次々に独創的な表現を開
拓した。特にモノクローム絵画では、数ある色彩の中のただひとつ「青
」にとり憑かれ、みずからの使用する青を「インターナショナル・クラ
イン・ブルー」と命名し、その一色だけによる作品を作り続けたのであ
る。彼にとってこの青は、生まれ故郷のニースの海岸で見た空の色であ
るとともに、彼が求め続けた宇宙の根源的なエネルギー、宇宙的な感性
と直接結びついている色であり、具体的なものとの関わりを持たない唯
一の色であった。青で彩られたモノクローム絵画は、私たちを「物質的
なもの」の束縛から解き放ち、無限の宇宙へいざなってくれるかのよう
な探い精神性に満ちている。近年ヨーロッパやアメリカで相次いで開催
された大回顧展によって、ようやくクラインの全貌が明らかになってき
た。日本では、こうした世界的機運を受け、高輪美術館、いわき市立美
術館、西武美術館との共同で企画されたものである。
私はNHK教育のTV番組「日曜美術館」ではじめてこのイブ・クライン
を知った。「インターナショナル・クライン・ブルー」の青を見たとき
には、胸のすく思いってこんな気分なのかなと思ったくらい、青の中の
青さで、他に例えようのないBlueである。
人の精神はすべてこのブルーに託され、表現されるというのも納得できる
気がした。ハートの色は実は赤でもピンクでもなく、このブルーなんじゃ
ないのかとも思ったくらい精神性の高いブルーだと思う。
エクスタシー
マックスフィールド・パリッシュも「パリッシュ・ブルー」といわれる
この青色がどの作品にも印象的に写る。
「青」というのは芸術家にとっての大切な存在であり、彼らになくては
ならないテーマなのだろうか?