今日も僕はこの悲しみに何もなかったかのように顔を白くする。
clown
「母さん、母さん!!」
あのとき、僕は無我夢中で母の名を呼んでいた。玄関先で血を流して母は倒れていた。母さんの温もりは既になかった。
父さんが死んでからずっと母さんと二人暮しだった。母さんがいなくなって、僕は、孤独となった。
それからすぐに、遠い親戚のところへ引き取られ、同時に転校した。一気に僕に塗られたたくさんの悲しみ。
そして、そこで同級生達からまた、一枚僕に悲しみを塗らされた。
自分自身を捨てたくなった。だから、町外れの廃ビルの上から飛び降りた。
気づいたときには、花畑ではなく、病院の無機質なベッドの上。脇には大道芸の本が置かれていた。暇つぶしのために置かれたのだろう。
今、僕は多くの観客を目の前に拭いきれていない悲しみのうえに何もなかったかのように厚く隠すようにメイクをし、ピエロとして立っている。
今日もまた、偽りの自分の笑顔を振りまき、観客から笑いを集める。
悲しきピエロ
† †