知己
闇夜に生きる蛍を見て
己を知る
月夜の闇に己を見る
黒いアスファルトに散る
どす黒い血液
引き裂いた胸から垣間見る
無限の瞬間
僕は手足を失った
芋虫のようにもがく僕には
昔を思い出せない
備わっていたかすら定かでない
その存在
今はただ忘却のかなたへ想うのみ
無いものに想いはせ
あるかのごとく錯覚す
闇夜を好み闇を畏れる
あまりの醜さに美を捉え
無駄なあがきは続いてく
鋭い刃物に貫かれた我が胸に
苦しみは有限と化す
手足のない僕は醜くももがき続ける
天使は舞い降りて接吻をし
自己憐憫にさいなまれ己を知る
無限の苦しみに襲われて
乾ききった僕の泉
僕ののどは赤い液体に潤される
悲しすぎるその瞬間
天使は舞い降り
己知る
彼女が現れ不具者となる