蝋人形の夢


地に足がつく実感
宙をさまようイメージ
浮かぶ感覚
重力に囚われる
現実との別離
絡みつく諸現象
奇妙な感覚

時という名の魔法 それは呪縛
限られた空間 歪む感覚
鈍る時の流砂
錯拡する空間 奇妙な現実感
目に映るニュース
遠くに聞こえるTVの音

沈み込む体
肉体を超える精神 離れゆく

萎縮する筋肉 乖離する意識 訪れる不在
腐り果てた八十過ぎの死体
それは友人だった
今二十歳のはずの友人の屍骸だった
目に焼きつく屍蝋化した骸
かすかに聞こえる友の名を告げる雑音

時という名の魔法 それは病
拡がる感覚 溢れ出る時の流砂
死の瞬間にそれは起きた

忘れ去られた家族 逝ってしまった友
消えた一家 忘却の淵へと追いやられた
家族探す 死者からの電話 宛先不明の便り
それは起こった
それは二度とないだろう
混濁する意識
ニュースは終わる

あれは僕だったけど友だった
錯乱する感覚 違和感
それはあった
死者からの電話 求める息子
消え去った家族
もうそこにいないだろう

火が灯された蝋燭 失われる記憶
燃える白蝋 消え去る証

それは二度と起きないだろう
奇妙な感覚
途切れがちな音声
呪われた時の病

残される違和感