死屍
満天の星空
騎乗人が射る矢は降り注ぐ
雅やかな流鏑馬
流星がごとく舞い落ちる美しき火矢
夜の帳の静けさに空気は張り詰める
衝撃は空間を震撼さす
息を呑みながら眺める流星群
見ず知らずの民は
夜の街を争いながら逃げてゆく
憎しみの涙は地上に降り注ぐ
夜空は闇
一瞬の光が闇照らす
人は刹那の灯火の中 夜道を錯綜す
翻弄される命 甦る悪夢の夜
夜空を舞う巨大な鳥は火の卵を産卵した
逃げ惑う人に産みつけられた記憶
やがて巨大な鳥は群れを率いていずこへと
さまよい人はサイレンの中狂気に駆られる
不気味な音は夜の静けさを打ち破り
憎しみの涙は地上に堕ちる
赤い涙は地上に触れ 紅蓮の飛沫は飛び散る
夜空を見上げる
大きな大きな雲は夜空を覆う
閉ざされた無限の空は
息苦しく 閉塞感に囚われる
巨大な雲はただやみくもに人を奪う
ガスの集合体は悪魔の権化
何が起こったのかもただただわからず
吐血する 嘔吐する 阿鼻叫喚は繰り広げられる
目に見えない生き物は僕たちの中に入り込み
暴れだす 僕の体は熱くなる
そして崩れゆく僕の肉体 朦朧とする意識
夜も明け蒼茫たる空
眼下に広がるこの国は
煙くすぶり 炎は街を焼き尽くす
僕はただ夜空を見上げていただけなのに
ただ、ただ、流星を眺めていただけなのに
僕が何をしたのだろうか
突如として現れて、大地を紅に染めたその矢は
何がしたかったのだろうか
闇夜を照らした光の数 舞い降りた地獄の業火
夜の静けさは破られた
憎しみの涙が枯れたとき もう僕はそこにいないだろう
僕には見えたんだ 黎明の空を駆け抜ける キノコ雲を