失光
そしてすべてはいつか失われるだろう
僕は見ることができる
光を感じることができる
光があるから闇を知った
僕はふれることができる
指があるから手があるから
物を持つことができる
僕は感じることができる
春の日差しの暖かさを
冬の凍てつく風を
僕は光の中見ることができる
ろうそくのきらめきも
そのゆらめきにはかなさを見る
その火は消えるだろう
僕も失うときが来るだろう
やがて光は失われるだろう
闇に佇む盲ひ(めしい)が一人
僕は底知れぬ闇の中泣いていた
もう頬を伝うことなき涙
錯覚する皮膚に一筋の温もりが
涙流さぬ闇の異形
深く暗い抜け出せない闇の中
さ迷い歩けど何を求める?
夜の闇を考える
人と人は境界を失い
声は闇の中唯一の存在となり
闇に溶け込み一体となす
声を除けばすべてはひとつの闇に
深い拭い去れぬ闇に生きる我思う
到来したのは虚無ではなかった
絶対的な無の運ぶ闇は
恐らく闇ではないのだろう。
僕は深い深い闇にいる
盲ひのいるこの闇に
人は何かを感じることができる
そう何かを感じることが・・・
風の匂いを感じれば何かが浮かぶ
失われども残る記憶
生きている間なら