扉
開かれた扉
閉ざされていたボクのココロは解き放たれた
目の眩むような明かりの中
ボクは息の詰まりそうなこの空間から這い出る
待ち望んでいた 約束の風景
待ち焦がれていた青く青く遠くまで澄み切った空
眼下には青と緑のそして生彩な世界が
ボクは今帰ってきたんだ
そう 喜ばしい瞬間が訪れるはずだった
広がるはずの青い世界
冷たく心地よい空気がボクを刺激する
そんな感覚はなかった
そんな彩られたものはナニモナカッタノ?
ボクの目に映るのは深紅に染まった大地
灰色の空 瓦礫の下に埋まる楽園
空高く舞う異形の鳥
いびつなツバサを広げてどこへ行く
黒い海に油まみれの鳥たち
浮かぶ魚の死体に群がる野犬の群れ
弧を描くハゲタカ
その下で草の根を齧る子供たち
生気の失せた眼をした大人たち
子供と孫を失った母親
母親を囲む泣き女
母親を讃える戦士たち
老婆は世界に暗雲を見た
老婆は世界に暗雲を見た
ガキはバスから人を撃つ
面白半分失神遊び
濁った眼をしたレイシスト
聖戦を糧に生きる殉教者
片足だけの人がいる
五体満足なボクがいる
地雷工場の横には義肢工場
収容所の隅っこには処刑場
ニュースじゃ悲惨なこの世界
裏番組ではバカアイドル歌ってる
世界はこんなに飢えてるのに
ボクはおなか一杯
目の前に広がった廃墟を見てもなお生きていく
ボクは生きている
開かれた扉は閉まらない
楽園なんて・・・