無覚


ふいに失われた片腕の距離感
ここではないどこかに連れさらわれた僕の腕は
もうずっと体温を失っている
遮断された肘から先の感覚と
頭に残る冷たい僕の指先の感覚
物を触った感触はみな同じ
鈍くなった感覚
ふと気づくと醒めた頭の片隅を横切る違和感
遮断され始める視覚
離れゆく聴覚
足の感覚すらなくなって
深まる恐怖
こみ上げてくるのは無痛の世界
僕の体を包み込む絶対的な冷たさは
僕の感覚を次々と遮断していく
気を抜くと僕までも持っていかれそうになる

こころは内へと埋没し始める
痛みも光もない空間は僕のうちから広がり始める