死発電車
臨界は近かった
すべてのものの膨張は
一瞬にして消滅す
絶望的な瞬間に垣間見た
残酷なまでに美しい天使の姿
一縷の希望は燃え尽きて
ただひたすらにむせび泣く

地下鉄の中へ悪魔は訪れた
ただひとつの変化はすべてへと
その波紋はあたかも水面に堕ちた水滴で
すべての表面は変わっていった
人々はみな何かを見てしまった
凍りつく車内にはもの悲しい孤独に囚われる
すべてが息苦しい地下鉄は疾走する
向かう先は不治の樹海か、先のある哀しみか

車内は膨張す
すでに崩壊を迎えつつあるその巨大な骸は
内容物とともに肥大化していた
臨界に達したその瞬間
紅い固まりは炸裂し
迫り来る衝撃は骸を引き裂く
引き裂かれた車内
悪夢はすべてに到来し
人の肉体と思われる蝋人形
醜い匂いの残る鉄の体内
すべてのものは一様に焼き尽され
深紅のバラが咲いていた
巨大な枝は刺を隠さず
醜い華を咲かす

泣きたくなるような現実に
無力感だけが去来する
地下鉄は失踪す
紅き炎は焼き尽す
巨大な都市に血は巡る

そんな現実に気づいた