僕のケージは
−3−
僕は本当は自由なはずなのに。
僕の周りには檻がある。
制限されている。
魂は肉体という檻に入っている。
じゃあ、肉体がなくなったら?
気がつくと、僕はベランダに座っていた。
何かのきっかけで目が覚めたはずなのに、
今はもう、そのきっかけが何だったのか思い出せない。
足元にチューハイの缶が転がっている。
そうだった、僕はここでたばこを吸ってたんだ。
風は冷たいのに、背中だけが熱い。痛い。
何でだろう。
ゆっくりと立ち上がってみる。
気分はもうすっかりよかった。気持ちいい。
肩が重い。
ああそうだ、羽だ。
僕には翼があったんだ。
振り返ってみると、真っ白な物体が風を受けてそよいでいた。
そうか、僕は飛べるんだった。
ここから飛び立って、どこへだって行ける。
飛び出そう。
下の道路を覗く。
風を全身で受ける。
さあ、行こう。
僕は両足で思いっきり地面を蹴った。
自由になれるんだ。