リブ・タイラーがとてもいいこでよかった。あんないい娘はいない。リブ・タイラーのこれまでの出演にはあまりいい印象を持っていなかった。彼女は生々しい。というとうまく表現されていないだろうか。これまでのキャラクターはむしろ一貫している。透明な心根を持った少女が周囲に翻弄されながらも、筋を通していく。リブ・タイラーは多分演技するとき地が出てしまっている。この作品では僕はリブ・タイラーに満足した。ロバート・アルトマンの演出がよかったのだろう。下手なアップはしない、状況をつないで物語を効率よく描いていく。いや、リブ・タイラーはいつもののままだったというなら僕の心境の変化であろうか。それなら書く必要なかった。
  映画自体いい話だった。悪役がはっきりしていて正しきものは救われて。悪役といっても犯罪を犯したわけではない、犯罪的なだけである。つまり誰も悪いことはしていない。けれども老女の自殺という事件からいいやつと悪いやつが浮き彫りにされていく。黒人がいいやつとして描かれ、リブ・タイラーも自分に黒人の血が入っているのかしら、と興奮するが、それはいい。この映画では法律が素朴な感じで登場する。保安官は太った黒人が犯人ではないことをはじめから見抜いている。「彼は俺の釣り友達だ」そこで保安官はアップになる。しかし、短い時間でカットが入る。遠慮がちである。リブ・タイラーも自分から檻に入って住みついてしまう。問題が解決されるまで、疑いの渦に巻き込まれた人たちは切迫するはずなのに「困ったな」という感じで嵐が過ぎるのを待っている。悪役はそんななか救われない時間を過ごす。悪役は本来、なぜだかしらんが悪い奴なのである。
 結局問題の解決は法律によって裏付けられる。皆きれいさっぱり納得する。




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