コーエン兄弟の初期の作品である。強盗常習犯が婦人警官と結婚し、彼女の不妊で悩んだ挙句、赤ちゃんを盗んでしまう。安物の家具で一儲けした男が五つ子を授かる。医学の賜物である。不公平だからひとつよこせと、盗まれる。赤ちゃんを手に入れたときのホリー・ハンターの喜び方は圧巻である。あれほどうれしそうな人を見たことがない。しかし、つかの間の幸せは消し飛ぶ。地面から這い上がってきた脱獄囚に阻まれる。またハーレーに跨った地獄の使者に狙われる。彼は生きているものすべてを抹殺する。夢の中から突出して現実化する。地獄の使者のせいで警察は存在感を失うかと思いきや、無言でピストルを撃ちまくる。バカボンに出てくる鼻の穴がひとつのおまわりさんが原型であるという説もある。ちなみにバカボンのおまわりさんは私設警察らしい。赤ちゃんのかわいらしさと、結婚して目覚めた(オムツを盗もうとするが)男を手がかりに物語は進む。撮影がこっているなと思ったら、撮影監督がバリー・ソネフェルドという聞いたことのある名だ。コーエン兄弟らしい、説明不可能だが、面白い演出である。




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