オープニングと登場人物の多彩さをはじめ見てガイ・リッチーかなと思ったが、最後まで見るとキャラクターは多彩といえるほどではなかった。
最初の強盗シーンは最後につながる重要なシーンであったが思い入れが少ないように見えた。
ストーリー。組の金を持ち逃げした鮫肌をタヌキら組のものが追う。組の者たちに統一感はなく、またリアルなやくざはバットを持った男だけである。変態ホテル経営者のおじのもとから逃げる桃尻娘は、パン一で同じく逃げている鮫肌を救出する。桃尻娘はしかし気を失うがその寝顔は幸せそうに見える。
山小屋に逃げ込むがすぐに見つかる。桃尻娘は鮫肌に惚れていることを自覚する。だが鮫肌はどこかへ行ってしまった。やくざが入ってきた。危うい桃尻娘。間一髪、その割にはワンテンポおいて、鮫肌が助けに戻ってきた。
更なる追跡の途中、組連中の不仲が露呈する。やくざたちはやくざらしくない。確かにくずなのだがやくざにも見えない。現代のある側面を受け継いでいるやくざなのだろうがストーリー上蓋然性はない。その他大勢として殺される。やくざであることを説明するために車の中で不幸な過去を語り合う。
かろうじて寺島進が組をやめたがっている。こんな連中とはおさらばしたい。寺島の顔とほかの連中の顔は完全に異質である。
鮫肌と桃尻娘はもう一人から追われることになる。それは変態のおじから依頼を受けた山田である。山田は、ホモで、マイクマニアで、殺し屋でもある。山田はすごかった。ホテルに集うやくざの携帯の電波を傍受してやくざが追う男と桃尻娘が一緒であることを突き止める。さらにラブホテルで援助交際をしていたおっさんから車を奪って逃げていることも盗み聞きし、無線で仲間、がいるのだろうか、に呼びかける。しかし、サービスエリアでばったり出くわす。
トイレで鮫肌を殺し損ねた山田は逆に命を助けてもらい、鮫肌に惚れてしまう。「好き」と告白するが、鮫肌はリアルに笑っているだけである。鮫肌から歌えといわれ「ドナドナ」を歌う。歌がうまい。
鮫肌は何故山田を助けたのか。さめは打破たぶんいいやつは殺さない。とすると山田は根はいいやつということになる。しかし山田はおじの妻を殺しているのである。悪いやつではないか。だがその妻はバター犬と不倫をしていた。これは殺されて当然の醜い物と見るか。
どうして山田がいいやつとわかったのか。相貌、「痛いのいや」と素直に言った、「好き」といった。
鮫肌と桃尻娘は高飛びの準備をする。旅券の偽造屋に「派手に逃げてるから」といわれる。これは逃げてもすぐに見つかってしまうことのストーリー上のいいわけである。
寺島は桃尻娘を捕まえる。なぜ連れ去るのかわからない。寺島は桃尻娘を解放する。自分でもわからなくなったのだろう。
桃尻娘を連れ戻しに鮫肌はホテルに戻る。そしてまんまとリンチを受ける。山田は惚れた男を救うために、味のある銃撃戦を演出する。
桃尻娘は鮫肌を救うために森へ。しかし桃尻娘は一発も撃たないまま自分だけ生き延びる。
いつの間に鮫肌と桃尻娘は高飛びする約束になってしまったのだろう。二人には話し合いなど必要ない。
桃尻娘はいかなる状況でも落ち着いている。あるいは漠然としている。変態のおじに育てられ、深いトラウマを抱えているようだ。だから状況を受け入れる能力に卓越している。彼女にとって惚れた男と高飛びすることは何の抵抗もない。
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