モンスター・ハンター

 

少年と目が合った。

 少年は舞花の部屋を、何の躊躇いも抱いていない様子で物色していた。文机がひっくり返され、書棚の本は全て床に放り出され、箪笥の中身はしまったばかりの冬着、今着ている夏着、下着に至るまでぶちまけてられている。

 いつものように水を汲んできた直後のことである。出かける前は誰もいなかった。するとこの少年は、自分が家を出てから帰ってくる間に忍び込んだことになる。

 が、いつであろうと無断で家に上がりこむような奴である。警戒するに値する相手だった。

「……誰?」

 用心深く、内の恐怖をなるたけ押し殺して舞花(まいか)は尋ねた。

 少年は顔だけ動かして舞花を見た。

「舞花だな?」

 いきなり名前を言われ、舞花は心臓が飛び出るほど驚いた。しかも確認である。まさか最近噂のストーカー? わたしってそんなに綺麗かしら、とズレた思考を慌てて戻す。

「な、なんで名前知ってるの? 誰よあなた!?」

 喚く舞花に、少年は静かに呟いた。

「モンスターハンター」

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