第122日← back>< next →第124日>

A Japan Travel Journal

第123日」

 ☆★☆★☆★☆★★☆★☆☆★★☆★☆★★☆★★☆★☆☆★★☆★☆☆★★

■はじめてだった、日本一周(西日本編)ひとり旅■

           19xx年4月10日(火)雨
        
 
 ☆★☆★★★☆★☆★☆★★★☆★★☆★★☆★☆★★★☆★ 豊橋市内

 

 


昨晩のラジオ天気予報によると、今日は一日中雨とのことだった 。だから明朝は何時に起床しようかと就寝、気を回す必要もなかった。 
 それでも朝が来れば明るくなる、雨模様だとしても。しかも早くから明るくなる。だから目覚めては起き上がざるを得ない。  
 
 案の定であった。雨。雨が降る中での旅については特別の感慨、気分がいつも付きまとってくる。旅の楽しさが半減するかのように思えてしまうのだ。

朝食として紙袋の中に残っていたビスケットを食べ、水筒に残っていた水を飲んだ。高くなったコンクリートの上、軒下の外側、目の前は雨ということで、本日はやれば良いのか。 雨をおして出発しようか。勿論、この雨の中、出掛けることは出来ない。濡れ鼠にはなりたくはない。旅を続けることは一時中止だ。濡れてしまって最悪の場合、風邪を引き体調を壊すこと だって有りえる。

溜まってしまった旅の日記を付けることにした。三日分である。昼前には終り、さて、次ぎには何をしようかと考えたが、別にやることがない。寝袋の中に入ったままラジオを聞いていた。雨だというのに乗用車がジャリの上をシャワシャワと音を立てながら駐車場代わりに公園内に入れ替わり立ち代り入ってくる。

昼になり、午後3時になりぼくがここコンクリートの上に寝転がっているというのが体育館を管理する人に分かったのか、ドア越しに見に来る。別にどうということもない。そうだ、ぼくが横たわっていた所はトイレに通ずるドアの所だったらしい。臭 (くさ)い臭(にお)いが下の方から浮き上がってきた。東北は郡山、その公園内公衆トイレでの”出来事”(「第97日」)が思い出された。

 「色気がないねえ」

いまでも忘れられない。この捨て台詞、あのおばさん、知っているのだろうか。ぼくのこころを痛く傷つけた。寝袋の中でじっとしていたぼくに聞こえよがしと戸を閉めて行った。ぼくは心の中で涙した。

 


午後5時頃からは漸く夕方らしくなり、次第に、そして直ぐに暗くなってきた。

早く寝てしまおう。

新しい、希望の朝を迎えたい思いが募る。

明日よ、早く来い。


明日が来る前に、今日の夜がやっと来た。夜は寝るために来るのだ。

人の出入りもなくなり静かになった、これでゆっくりと寝れる、と思っていると、相変わらず乗用車が忘れかけた頃、 エンジン音を立てながら入ってくる。寝付かれない。

 

寝袋の中では息を凝らしている。頭か被っているので、ここに人が横たわっていることは分からないだろうと勝手に思い込んでいる。頭の中は冴え切ってしまっていた。

午後11時過ぎ頃か、前方に一台の乗用車が止まり、中からは人が二、三人と出てきた。

内緒話にしては、ちょっと声が大き過ぎる。口論している ようだ。

土地の言葉だ。

皆、酔払っているようだ。飲み屋では話しが着かず、人がいない所へ行って着けようとここに入ってきたのだろう。が、人はいるんだよ、見えない のかもしれないだろうが。

 

 

騒ぎを聞きつけたらしく、暫くして懐中電灯を手にした守衛が二人、見回りに来た 。
 先にこちらの方へと近寄って来た。ぼくは緊急に目を閉じて狸寝入りだ。ぼくの顔を懐中電灯で照らす。
 
  「何処から来たのだろう?」

  「日本一周だって」

 自転車も、その後輪カバーも照らし出されたようだ。
 


 それからして大声の方へと向って行く。

 「内緒話にしてはちょっと声が大き過ぎる」と言い残して、中へ入ってしまったらしい。

 車から降りた男達も注意を受けたからなのか、話しが着いたからなのか、暫くして帰り、公園内には静寂が戻って来た。

喧騒が去った後の静かな夜、ぼくは知らぬ間に寝入ってしまったらしい。

 その後、回りで何が起こっていたから知り様もようもない。書き様もない。
 



第122日← back>< next →第124日>