二泊三日のフランス旅行!〜来日編〜







    「あ! おにいたま! ヒナ、ガラガラやりたい!」
    「兄や・・・亞里亞も」
    「ん?」
    俺と雛子と亞里亞と白雪と咲耶とで近くのデパートから今夜の食事を調達して、帰ろうと思った矢先に、
    雛子と亞里亞が食品売り場前の福引きに目を引かれたらしい。
    「にいさま、ちょうどもらった福引き券がありますの」
    「2枚あるから雛子ちゃんと亞里亞ちゃんにやらせてあげたら? お兄様?」
    「そうだな。よし、雛子、亞里亞、回しに行こうか?」
    「うん!!」×2
    雛子と亞里亞は飛びはねながら早くも福引きの取っ手部分を掴もうとする。
    「こらこら。まだ早いぞ。・・・2枚でお願いします」
    俺は白雪から受け取った福引き券2枚を係委員に渡す。
    「はい、お1人様1回です」
    「まずは雛子からだぞ」
    「うん!」
    俺は雛子の脇に手を入れて、福引きの取っ手部分を掴める高さまで持ち上げる。
    雛子は取っ手を掴むなり、力任せに思いっきりまわす。
    中の球がジャラジャラとぶつかり合っている音が響く。
    「お兄様、一等がフランス旅行券ですって」
    「へぇ〜、それじゃあ当たったら亞里亞嬉しいだろうなあ」
    「うん・・・亞里亞・・・うれしい」
    「にいさまもし当たったらみんなでフランスへ行きますの」
    「う〜ん、でもそう簡単に当たるもんじゃ・・・」
    カタン! ――コロコロコロコロッ・・・・・・
    シ――――ンッ・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
    カランカランカランカランカランカラン!!
    「おめでとうございます! 一等大当たりぃ――!!」
    「ええええぇぇぇぇぇぇ―――!!!」×3
    「わぁ〜い。おにいたま! イットウ当たったよぉ〜!」
    うれしそうに手足をばたつかせる雛子をしりめに、俺と白雪と咲耶は呆然と突っ立っている。まさにマネキン状態。
    「こちら、一等のフランスペア6組二泊三日の旅行券です!!」
    笑顔で雛子に手渡してくれたそれを、雛子は手に取り、体を方向転換すると、俺に抱きついてくる。
    「くししししっ。おにいたま、ヒナ、えらい?」
    「あ、ああ。えらいぞ雛子」
    「わぁ〜〜〜〜いぃ!」
    雛子から手渡されたそれは、たしかに、正真正銘、嘘偽りない旅行券だ。
    「兄や・・・次・・・亞里亞やりたい・・・」
    「ん? あ、あぁ・・・」
    雛子をおろして次は亞里亞を浮かせる。
    白雪と咲耶は旅行券を手に取り、じっとそれを見ていた。
    「亞里亞、おもいっきりまわすんだぞ」
    「うん」
    言われるがまま、亞里亞は取っ手を掴むと、雛子にはまさるが、それなりにおもいっきりまわす。
    またも箱の中で球が転がり、ぶつかり合う音がする。
    「でもどうするのお兄様? これじゃあ半分の人数しか行けないわよ」
    「しかたがない。何人かわ説得して留守番してもらわなきゃな」
    「それじゃあ、みんながかわいそうですの・・・」
    白雪の言い分はもっともだ。
    でももう1枚なければ、本当に半数は留守番・・・。
    カタン! ――コロコロコロコロッ・・・・・・
    シ――――ンッ・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
    カランカランカランカランカランカラン!!
    「お、おめでとうございます! またもや一等、大当たりです!!」
    「なにぃぃぃぃぃぃぃぃ―――ー!!」×3
    「兄や・・・亞里亞・・・うれしい。いっとう、当たったよ・・・」
    喜ぶ亞里亞だが、俺と白雪と咲耶はマネキンではなく、もはや氷のオブジェと化していた。
     ・・・・・・・・・・・なんか、うちの妹たちって、すごすぎないか?




    「フランス旅行ぉ〜〜!?」×8
    俺たちは帰宅後、すぐにみんなにさっきのことを話しチケットを机の上に置いて、みんなでそれを囲んでいた。
    「うん! ヒナと亞里亞ちゃんでとったんだよ!」
    「亞里亞・・・えらい?」
    「うん、亞里亞ちゃんすごいよ」
    可憐に頭をなでてもらってうれしそうな亞里亞だが、俺は少々困っていた。
    なぜかというと、この旅行、なんと明日からなのだ!
    「というわけだ。みんな、急いで支度をしてくれ。二泊三日だから、そんなに荷物はたくさんじゃなくてもいいからな」
    「はあ〜い!」×12
    みんな、楽しそうにそれぞれの部屋に散る。
    っと、机の上にあるチケット1枚が何者かの手によって取られそうになっていた。
    俺はもちろん、素早くそれをもぎ取る。
    「鈴凛」
    「え、いや、べ、別にそのチケットを売りとばすっていうことは全然考えてないよ」
    「だったらお前だけ家の留守番しててもいいんだぞ?」
    「う、ご、ゴメンナサイ、アニキ!」
    それだけ言って、鈴凛はリビングから出て行く。
    まったく、油断も隙もないな。



    俺は支度を整えて、ベットに横になっていた。
    明日の日程は、まず朝の9時から出発してだいたい9時30分には空港に着いて、9時45分発の飛行機には乗らなければならない。
    このチケットっていうか旅行券、案内人とかついてないから面倒だ。
    フランスについても泊まる所がわからないし、どうしよう・・・ 。
    「兄や・・・」
    「ん?」
    扉越しに、亞里亞の声が響く。
    俺は鍵を外して扉を開くと、パジャマの格好の亞里亞が枕を抱いて立っていた。
    「いっしょに寝ても・・・いい?」
    「ああ、いいよ」
    俺は亞里亞を招き入れて、いっしょにベッドに横になる。
    「どうしたんだ亞里亞? 恐い夢でも見たのか?」
    時計は10時40分を指していた。
    「うぅん・・・」
    亞里亞は首を横に振って否定すると、そのまま黙り込む。
    「亞里亞・・・?」
    「・・・・・・兄やは・・・亞里亞のこと・・好き?」
    「ん? うん。大好きだよ」
    「・・・亞里亞も・・・兄やのこと・・・好き・・・」
    頬を赤らめてうずくまる亞里亞。
    どうしたんだろう? もしかしてフランス旅行のことかな・・・?
    「亞里亞。もしかして、フランスのこと、気になるのか?」
    「・・・・・・」
    「亞里亞の故郷だろ? 何か困ることでもあるのか?」
    「・・・・・・」
    「あ、そうだ! 亞里亞のじいやさんにフランス案内を頼もうか。じいやさんなら、きっと協力してくれるよ」
    「!!」
    俺がそう言った途端、亞里亞が俺に抱き着いてきた。
    亞里亞はぎゅっと俺のパジャマを掴む・・・。
    「・・・くすん」
    「亞里亞?」
    「くすんくすん・・・。・・・くすんくすんくすん」
    俺のパジャマの胸元に、亜里亜の涙が付着している。
    「亞里・・・・・・亞・・・?」
    俺は、悪いと思いながらも、亞里亞の、・・・・・・思考を読み取った。
    『いや、フランスに行きたくない・・・。兄や・・・。じいやに合いたくない・・・。兄や・・・。合ったら・・・またおこられる・
    ・・。兄や・・・。亞里亞、りっぱなレディになってないもん・・・・。兄や・・・。こわいよぉ、兄や・・・』
    ・・・・・・・・亞里亞も亞里亞で、いろんなことを考えてたんだな。
    まだ幼い小学生だとしても、亞里亞も俺と同じ人間だから。
    人間は、モノを考えているから・・・生きてるんだ。
    辛いことも、悲しいことも考えながら・・・。
    「亞里亞、大丈夫だぞ」
    俺は優しく、腕で亞里亞を包み込む。
    「兄やぁ・・・。・・・くすん」
    「ほら、泣いてちゃダメだろう? せっかくの美人がだいなしじゃないか?」
    「兄やぁ・・・。亞里亞・・・泣いてないもん」
    亞里亞の目元には涙が残っていた。
    俺は指でそれをすくうと、亞里亞の頭をなでてやる。
    「亞里亞よく聞けよ。亞里亞がフランスに行きたくない気持ちはよ〜くわかる。俺も昔はそうだったからな」
    「兄やも・・・?」
    「ああ。昔な、俺が亞里亞と同じくらいの小学生のとき母さんが大切にしていたガラスコップを割っちゃって、家を飛び出して、
    ばあちゃんの家によく泣きつきに行ってたんだ」
    「・・・・・・」
    「ばあちゃんは俺に怒りもせずに、そうかいそうかいってただただうなずいててくれた。俺はなぜか、自然と笑顔を作って、
    ばあちゃんといっしょにお話しをしてたんだ」
    「それで、兄やは・・・どうしたの?」
    「うん。ばあちゃんといっしょに家に戻って、正直にコップを割ったことを言ったら、母さん、許してくれたよ」
    「どうして・・・?」
    「う〜ん・・・。俺もわからないんだ。ただ、正直にコップを割ったことを言ったから、じゃないかな?」
    「・・・・・・・」
    亞里亞はじっと俺の目を見ていたが、やがて、もう一度俺に抱き着いて、こう言った。
    「亞里亞、じいやに・・・おこられない・・・?」
    「うん、大丈夫。俺がいるし、じいやさんもそうすぐには怒らないよ」
    「本当ぉ?」
    「ああ」
    「兄やぁ」
    亞里亞はその細くて華奢な腕でぎゅっと俺に抱き着いてくる。
    俺もそれに答えるように、亞里亞を抱きしめる。
    やがて・・・。
    「兄や・・・」
    「ん?」
    「・・・大好き」
    チュッ(はあと)
    「!! な、ななななな!!!」
    「おやすみ、兄や・・・。・・・・・・・・・すぅ――、すぅ――・・・」
    亞里亞の規則正しい寝息が聞こえる。
    俺は唇を押さえておろおろするばかり・・・。
    だっていきなり亞里亞が・・・・・・・。
    ・・・・いまの、四葉にチェキされてないよなぁ?
    俺はうれしいのかうれしくないのか、そこらへんよくわからない考えをぐるぐるとさまよわせながら、
    とりあえず、亞里亞の横で眠った。





    13人全員を乗せたフェラーリは、スピーンターンでキレイに駐車場に止まった。
    周りの人たちからは拍手喝采だが、俺たちはそれに答えている暇はない。
    ただちにフェラーリから降りると、空港に向かってダッシュ!
    「あ、兄上様・・・。ゴホゴホッ」
    「鞠絵、おぶろうか?」
    「あ、はい」
    俺は鞠絵をおぶると、再び走り出す。
    もう言うまでもないな。
    そう、俺たちは完全な遅刻をしてしまったのだ。
    なんとも間抜け・・・。
    「きゃっ!」
    花穂が転びそうになるところを、後ろにいた衛が手をとって助ける。
    「大丈夫? 花穂ちゃん?」
    「う、うん。ありがとう衛ちゃん」
    「まったくだれよぉ。遅刻の原因は」
    俺たちは走りながら、そう言った本人、咲耶に視線を送る。
    「う・・・」
    「あのなあ咲耶。はりきるのはいいが、未然に服を選んどけよ」
    「だって、初めての海外旅行だもの。いい服が決まらなくて・・・」
    「もういいよ・・・」
    俺は半ば諦めてそう言い、なんとかフロントに着き、旅行券2枚を渡すと旅行鞄を預け、教えてもらった便まで、また走る。
    まさに発車時刻ギリギリで、飛行機の内部へと入れた。
    俺たちはぜえぜえと苦しそうな呼吸をする。
    久しぶりに走った感じがする。
    「わあ〜い、ヒナたち、飛行機のなかにいるぅ〜♪」
    「お兄ちゃん飛行機の中って大きいね」
    「うん、そうだな。っていうか俺たち初めて飛行機に乗ってるんだよな?」
    「うん! しかも海外旅行だよお兄ちゃま」
    「ボクたちにとっては大切な旅行だね、あにぃ」
    「ああ。ちゃんとデジカメ用意してきたか四葉?」
    「ハイ! ヌカリはありません兄チャマ!」←写真撮影係
    「うん、じゃ、きままな飛行でも楽しもうか?」
    「はぁ〜い!」×12
    みんな好きな座席に座って、飛び立つのをいまかいまかとワクワクしながら待っている。
    「あの、兄上様・・・?」
    真後ろから鞠絵の声がする。
    「あ、ゴメン」
    「いいえ、いいんです・・・」
    お互いに顔を赤くさせながら、俺は鞠絵を優しく床に降ろした。
    みんなの視線がこちらにむくいているのは、気のせいだろう。
    俺も適当な座席に座って一息つく。
    あら、あららら・・・・?
    なんか・・・急に・・・・・・眠気が・・・・・・・・・・。






    「お・・・様・・・?」
    「う・・・ん・・・」
    「お兄・・・ま」
    「ん? ・・・うん・・・」
    「もう・・・」
    チュッ
    「!!!」
    頬にあたたかいものを感じて、俺は飛び起きた。
    「おはようお兄様」
    「ああ、おはよう・・・。あれ? みんなは?」
    あたりには咲耶と俺しかいなかった?
    どうしたんだ? 
    みんな異世界にふっとんだのか?
    「お兄様、もうフランスに着いたわよ」
    「え?」
    俺は急いで飛行機から出て、空港に行くと周りは人、人、人。
    しかも一目で外国人だとわかる人たちばかりだ。
    「お兄ちゃ〜ん、こっちこっち」
    可憐の声が響いてきた方に視線を向けると、みんなもう旅行鞄を身につけていた。
    「ごめんごめん。寝過ごしちゃったよ」
    「もう、あにぃたらぁ」
    俺は衛から鞄を受け取ると、なれない空港の道を通り、出口に出る。
    フランスの第一印象は・・・、古風だ。
    家々もレンガ作りが多い。
    なんせあまり車がないのも驚きだ。
    日本では到底眺められないモノばかりで、みんなはもうすでに見入っている。
    「兄上様、これからどうしますか?」
    「泊まる所、決めてるのお兄ちゃま?」
    「うん、心配はいらないよ。もうそろそろ来るころだから」
    俺がそういうのと同時に、2台の大型馬車が目の前で止まった。
    前列の馬の手綱を引いているのは、
    「じいや・・・」
    「お久しぶりです。じいやさん」
    「こんにちはぁ!」×11
    「はい、みなさん、これからこのじいやがここパリの案内をさせてもらいます。もちろん、寝泊まりもじいやの家を使ってください」
    「あ、ありがとうございます!」×11
    みんな礼儀よく挨拶してくれて嬉しいけど、問題は・・・。
    「兄やぁ・・・」
    亞里亞が俺の後ろに隠れてじいやさんを見ている。
    「大丈夫だよ・・」
    俺は亞里亞の頭をなでてやる。
    「みなさん、長旅ご苦労様です。パリ案内といきたいのですが、まずはじいやの家でゆっくりと休眠を取ってください」
    そう言って、じいやさんはみんなを馬車に乗るよう促した。
    日ももう傾き始めて、黒に近い夕暮れになっている。
    俺は亞里亞の手を取って、じいやさんの横に座る。
    みんなも馬車に乗ったことを確認すると、じいやさんは慣れたてつきで馬を歩かせた。
    「亞里亞様、お久しぶりですね」
    「う、うん・・・」
    「お変わりないですか?」
    「う、うん・・・」
    「また甘い物を食べすぎて虫歯になっていませんか?」
    「う、うぅん・・・」
    「そうですか・・・」
    それで亞里亞とじいやさんの会話が途切れた。
    後ろからは四葉と咲耶と春歌と千影と衛と鈴凛がキョロキョロしながら町の様子を見ていた。
    もちろん、四葉は撮影をおこたっていない。
    「あの、昶さん」
    じいやさんが俺だけに聞こえるように話しかけてくる。
    「はい?」
    「亞里亞様は、その・・・」
    「大丈夫ですよ。亞里亞は元気で俺たちといっしょに遊んでます。元気すぎて、こっちが困るくらいに」
    「そうですか・・・。ありがとうございます」
    「いいえ。こちらこそ」
    そういった談笑を楽しんでいたら、もう着いたようだ。
    ここがじいやさんの家でもあり、亞里亞が育ってきた家か、
    って!
    「うわああああああぁぁぁぁぁぁ〜・・・」×11
    まじでそれしか言えなかった。
    だって、だって、こんな馬鹿でかい家があるのか?
    家というより、まるで宮殿だ。
    東京ドームぐらいの大きさはある。
    ここでかくれんぼしたら、まず隠れた人、見つけれないな。
    「ささ、どうぞ」
    馬車を降りた俺たちをじいやさんが手を招いて案内する。
    大きな扉を開くと、それはまさに別世界だった。
    天井にはシャンデリア、窓という窓は全部ステンドガラス。
    床はフワフワした絨毯でしきつめられている。
    床、壁、天井は傷どころかほこりひとつない。
    まるでどこかのお城だよ。
    「まずは食事からいたしましょう」
    フランスで食べるフランス料理・・・。
    いったいどんなのだろうか・・・。    




    「つ、つかれた・・・」
    俺はつかれた体をベッドにあずけていた。
    まさか食べ物を食べるのにあんなに苦労するとは思ってもみなかったからだ。
    じいやさんは俺たちがスープをすするとき、音をたててはいけません!っていきなり注意したりするからなあ。
    俺はごろんと仰向けになって、首を動かし周りを見回してみた。
    俺の他にも、ベッドが11枚しかれている。
    きゅうきょ俺たちがこっちに来ることになったので、しかたなくみんなで寝ることになったけど・・・。
    ・・・・・・咲耶と春歌、襲ってこないだろうなあ?
    みんなは今、風呂に入っている。俺はその後一人で入るつもりだが、なんとなく悪い予感がするのは・・・・・・、
    気のせいにしたい。
    キィィィィッ
    仮寝室の扉が開く。
    俺は上半身だけ起こして、入ってきたみんなを出迎える。
    ・・・・・・あれ? なんかみなさん、笑顔がひきつっているようなぁ・・・。
    「お兄様・・・」
    「ん? な、なに? 咲耶」
    「兄君様、これはいったいどういうことですか?」
    「え?」
    春歌が手にしている一枚の写真を俺は手に取り見てみる。
    「ああああああああああああああああ!!!!」
    それはあの晩、亞里亞が俺にキスしたときの写真だった。
    キレイに写ってるところから見て、スターライトスコープみたいなもので撮ったなあ!
    「四葉ぁ!」
    「えへへへへっ、兄チャマ、兄チャマのヒミツは四葉がチェキしてますよ!」
    俺はもう何も言えなくなった・・・。
    「お兄様のキスは私だけのものなのに・・・。お兄様の、お兄様のすべては・・・」
    「兄君様の接吻は、ぜったいにぜったにワタクシだけのものですわ・・・」
    「兄くん・・・私も・・・したいなあ・・・」
    「あにぃのエッチ・・・。でも、ボクも・・・」
    「アニキのキスって、どんなのかなあ・・・」
    「お兄ちゃん、可憐もしたいです・・・」
    「兄上様、あの、わたくしは構いませんが・・・」
    「四葉も、兄チャマのマウスをチェキしたいデス・・・」
    「にいさま、キスのついでに、姫も食・べ・て(はあと大)」
    「お兄ちゃま、花穂、うまくできないと思うけど・・・」
    「おにいたま、ヒナもおにいたまとキスしたい!」
    「亞里亞も・・・」
    「あ、う・・・・」
    みんな、目が血走ってる・・・。
    「お兄様! 兄君様! 兄くん! あにぃ! アニキ! お兄ちゃん! 兄上様! 兄チャマ! にいさま! お兄ちゃま! おにいたま!
    兄や!」
    「うわあああああああ!!!」
    一斉にみんな俺に向かって走って来る。
    俺は12人の妹の波から逃れるべく、仮寝室を走りまわることとなった。
    来日初日から、こんなのかい!
    「うお!」
    俺の背に、いち早く抱き着いてきたのは、意外なことに亞里亞だった。
    「兄や・・・亞里亞に元気をくれて・・・ありがとう。亞里亞、がんばって・・・じいやと仲良くするね・・・。兄や・・・大好き!」



    その数分後、滝のように涙を流す昶の背を、12人の妹たちが交互に洗い流している姿が風呂場で見られたという・・・。
    おきのどくさま。








作者コメント
・・・・・・なにこれ? フランス旅行っぽくないじゃん!
日に日にSSがへたになっていく僕って・・・。
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