叶えられた暮らし
「お兄ちゃん、起きてお兄ちゃん」
「う〜〜ん。な〜にぃ〜・・・」
「もう、お兄ちゃん朝だよ。早く起きて」
「う〜〜ん・・・。後、1時間だけ・・・」
「欲張りすぎ!ほら、早く起きないと、みんな呼んでくるよ?」
「!!!」
俺は迅速な早さで飛び起きた。可憐一人ならともなく、12人全員で起こされちゃたまったもんじゃない。
「うふふっ、おはようございます!お兄ちゃん(はあと)」
「うん、おは・・・・・・」
おはようと言おうとしたら、可憐が俺をうるうるした目で見ていた。
「ど、どうしたんだ?可憐」
「あ、うぅん。なんでもないの。ただ、やっと、お兄ちゃんと一緒に暮らせれてるんだなあって思って・・・」
可憐は赤くなった顔を隠すようにうつむいた。
―――そうか。そうだよな。
俺は可憐の頭に手をのせて、そっと優しくその頭をなでる。
「お、お兄ちゃん?」
「おはよう。可憐」
「・・・うん!!お兄ちゃん、白雪ちゃんが作った朝ご飯が待ってるからね。早く降りてきてね」
可憐はそう言って、部屋からでていった。俺は歩くたびにひらりひらりと揺れる可憐の腰ぐらいまである後ろ髪を見つめていたが、
やがて、ゆっくりと立ち上がった。
「あ、おにいたま。おはよう」
「おはよう。兄や」
できたての料理をテーブルに運んでいる、まだパジャマ姿の雛子と亞里亞が、無邪気な笑顔で挨拶してくる。
なんとなく、新鮮だなあ。って、俺もまだパジャマ姿だった・・・。
「うん。おはよう」
「あ、おにいたま。ヒナね、一人でおきれたんだよ。えらい?」
「兄や。亞里亞もだよ」
「ああ、ふたりとも、すごくえらいぞ」
俺は雛子と亞里亞の頭をなでてやる。ふたりは気持ちよさそうに、それを受け入れていた。
「くししししっ。やったね亞里亞ちゃん」
「うん。亞里亞、うれしい」
年少組ふたりは、誉められたことが本当にうれしいのか、笑いながら席についた。
「おはようございます。にいさま」
「おはよう。あにぃ」
「おーはよー。アニキ」
「おはよう。お兄ちゃ、まあ!!」
花穂がなにもないところでつまずいた。お約束にしては急なような・・・。
って、んなこと思ってるひまはない! 俺はさきほどのように、チーターも唖然とするほどの早さで床すれすれで落ちそうになった
コップ5個をキャッチする。
―――朝っぱらからしんどい・・・。
「お、おはよう。白雪、衛、鈴凛、花穂」
「お兄ちゃま、ごめんなさい・・・」
「いいよ、花穂」
まあ、毎度毎度こんなことが続けばなれてくるというものだ。
それが普通かどうかは別としてだが・・・・・・。
「うーむ。アニキの身体能力はコンピュータも予測不能だなあ」
「あにぃ、やっぱりすごいや。さすが人間離れしてるだけあるね」
「誉められてるのか、けなされてるのか複雑だぞ」
たはははっとごまかし笑いをするふたりは、料理を置くと、席についた。
「大丈夫ですか? にいさま」
「お兄ちゃま、ほんとーにごめんなさい」
「大丈夫、大丈夫。ほら、ふたりも席について」
言われるがままに、料理を置いて席につくふたり。
あときてないのは・・・・・。
「おはようございます。兄上様」
「おはようございます。兄君様」
「おはようデス! 兄チャマ」
「ああ、おはよう。鞠絵、春歌、四葉」
「くふふふっ、パジャマ姿の兄ちゃま、チェキです!」
「四葉、とりあえず朝っぱらからデジカメ撮影は禁止な」
俺は軽く四葉をあしらって、まだ持っていたコップをテーブルに置いていく。
まだ起きてこないのは・・・。
「おはよう・・・兄くん」
「おはよう。お・に・い・さ・ま(はあと)」
「ああ、おはよう。千影、咲耶」
「もう、お兄様ったら。挨拶ならキスでいいのに」
「こらこら、子供に悪影響なことはしない」
そして、家族全員が食卓についた。
・・・・・・はは、なんだか、すごく、うれしいな。
この気持ちは、みんなもいっしょだろう。
「よし、それじゃ」
「いただきまーす」×13
「うん、このから揚げ、いい味してるぞ白雪」
「ほんとだ、おいしいよ白雪ちゃん」
「ヒナ、白雪ちゃんの卵焼き大好き!」
「あ、でもこの味噌汁味が少し薄いような・・・」
「ん、衛の言うとおりかも・・・」
「ええ、そんな・・・・」
「ま、まあでもおいしいことにはかわらないぞ白雪」
「花穂ちゃん、醤油とってくれる?」
「はい、咲耶ちゃん」
「ちょっと! これ醤油じゃなくて味醂じゃない。なんでこんなところに置いてあるわけ?」
「うう・・・亞里亞これかたくて・・・・・・・・食べれません・・・・」
「ありゃ、亞里亞にはまだタクアンはだめだったか」
「兄やぁ・・・・・・・」
「はいはい」
俺は亞里亞の分のタクアンをぱくりと食べる。
「くふふふっ、タクアンを食べる兄チャマ、チェキです!」
「う、いつのまに・・・」
「ねえ、アニキ。・・・ちょっと相談したいことが・・・」
「小遣いなら渡したぞ?」
「お願いアニキ! まだ買いたりない物があるんだ!」
「却下!」
「アニキ!このとおり!」
「だめなものはだめ!」
「ふふふっ・・・・兄くんの勝ちだよ・・・・鈴凛ちゃん」
「兄上様、あとでミカエルと一緒に散歩に行きませんか?」
「あ、ワタクシもごいっしょしていいですか兄君様?」
「ああ、いいよ。あ、春歌、その後一緒に昼食の買い出しにでもいこうか」
「まあ、ホントですか? それなら是非。(ポポッ)」
ホント、家族で過ごすのは新鮮でいいよなあ。
俺はそんなことを考えながら、TVの電源を入れた。
『今日の関東地方の天気は、一日中快晴で、穏やかな天気が続くでしょう・・・』
うん、天候も悪くない。この調子でみんなと一緒に――。
プルルルルルルルルッ。
「はい、おにいたま」
「ありがとう雛子。はい、もしもし?」
『ああ、昶か? 俺、高野』
「ああ、どうした?」
『すまん、ちょっと手伝ってほしいことが・・・・』
「報酬は?」
『んと、2000』
「・・・・・・3000」
『うお! ちょっと待て! せめて2500に』
「3000」
『足元見るなよ。頼む、2500で』
「俺、停学中なんだよねえ〜」
『だああ! もうわかったよ! 3000円。もってけドロボウ!」
「はは、嘘嘘。2000でいいよ」
『本当か? 助かる。じゃ、部室で待ってるぞ』
「ああ、わかった」
俺は受話器を置くとすぐに二階へ行き、着替えをすました。
「って、言うことだから。みんないいこにして待っててくれ。咲耶、千影、春歌、お前たちは年長だからみんなのこと任せたぞ」
「うん。・・・・・わかったよ・・・・・・兄くん」
「はい、兄君様」
「お兄様、はい、バッグ」
「ああ、サンキュー咲耶」
「だ・か・ら、お礼はキスで」
「それはまた今度。じゃ、行って来るよ」
「行ってらっしゃーい!」×12
みんなから見送られながら、俺は外に出た。予報どうり空は青々としていて雲ひとつない。これなら一日中晴れが続くな。
俺は薄く微笑むと自転車にまたがって、駆け出した。
作者コメント
みんなホントによかったね。
それはそれとして、まだ文章がへたれだなあ。
これじゃあみなさんに雰囲気が伝わらない・・・・。
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