プロフィール
妹達が、お兄ちゃんである昶と合えるのは二ヶ月後との「お兄ちゃんの日」だけ。
その日以外は道端ですれ違うか、買い物の時に偶然出会うといった程度。
例外としては昶の誕生日の日、クリスマスの日、正月・・・・・・などの年中行事だけ。
だから妹達はいつも祈っています。「お兄ちゃんと、みんなと一緒に暮らせる日が来ますように」と・・・・。
そう。いつも、いつも、何回も・・・・・・・・・・。
何度も・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ある病院の一室に、9人の女の子達が、ベッドに横たわって人工呼吸器を口元に繋いだ、兄である昶を囲んでいる。
目撃者によると、路地裏で後頭部から血を流しながら横たわっていた、らしい。
昶の性格上、ケンカでは絶対にないと、妹達は思っている。
昶はいっこうに目を覚ます気配は見られない。
残酷に、時間だけが、過ぎていく・・・・・・・・。
お兄ちゃん、お願い、目を覚まして。
可憐はいつもいつもお兄ちゃんと一緒にいられますようにって、祈ってます。
もっとお兄ちゃんと遊びたい、もっとお兄ちゃんと過ごしたい。
だから、目を覚まして、お兄ちゃん!
お兄ちゃま。花穂はドジだけど、お兄ちゃまはいつも優しくしてくれてたよね?
一生懸命な花穂が好きだよって言ってくれたよね?
だから、お願い。お兄ちゃま、起きて!
起きないと、花穂、お兄ちゃまのこと、応援できないよお〜!ふえええええん!!
あにぃ。ボクね、いつもあにぃのことを考えてるんだよ?
学校のときだって、一人でいるときだって、あにぃと一緒にいるときだって・・・。
だから、起きてよ!目を覚ましてよ!
ボク、ボク、あにぃがいないと、好きなスポーツなんてできないよ!!
お兄様・・・・・どうして?どうしてこんなことになっちゃうの?
私の一番の相手は、あなたなのに。どうして一緒にいられないの?
私とお兄様は、離れ離れになる運命なの?
いや、そんなのいや!お願い、起きて、お兄様!
うええええ〜ん!おにいたま起きて起きて!
ヒナ、ヒナ、もっともっとおにいたまといたいのに!
おにいたまが起きないと、ヒナ、サビシイサビシイ病が治らないよお〜。
おにいたま、起きて、おにいたまあーー!!
わたくしは、兄上様、あなたのおかげで療養所から退院することができました。
心から本当に本当に感謝しています。だから、お願いです、死なないでください!
兄上様がわたくしに生きろと言ったように、兄上様も、どうか生きてください!
生きて、目を開けてください!
にいさま、姫、・・・・・・・こんなに、こんなに、寂しくなったことはいままでにありませんですの。
にいさまはいつも、姫の作った料理を「おいしい」と言ってくれます。
姫、その言葉を聞いただけで、とてもうれしいですの。
にいさま、お願い、死なないで!姫の料理はにいさまだけのものですの!
アニキ。アニキの援助のおかげで、メカ鈴凛が作れたんだよ?
アニキの援助がなかったら、私、なにもできない。
メカ鈴凛の整備や、今作ってるメカアニキだって、作れない。
お願い、アニキ、目を、目を覚ましてよ!アニキが目を覚ましてくれたら、私、なにもいらないから!!
兄くん・・・知ってるかい・・・?
私は・・・いつも・・・兄くんのことを見守ってるんだよ・・・?
それが・・・例え・・・遠く、遠く・・・離れていようとも・・・。
・・・兄くん・・・大好きだよ・・・。
だから・・・起きて・・・生きて・・・兄くん・・・。
みんなの思いが、直接俺の頭に響いて来る。
俺をいつも思ってくれる、みんな。可憐、花穂、衛、咲耶、雛子、絵、白雪、鈴凛、千影・・・・・・。
俺がいない間も、こうして、俺のことを考えてくれたのか?
・・・・・・・ありがとう。みんなありがとう。本当にありがとう・・・。
死ぬ前に、みんなの心の中がわかって、本当に、うれしかったよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
『・・・ちゃん』
可憐・・・?
『・・・にいちゃま』
花穂・・・?
『あに・・・ぃ・・・』
衛・・・?
『 お・・・にい様・・・』
咲耶・・・?
『おにい・・・たまー・・・』
雛子・・・?
『兄・・・上・・・様・・・』
鞠絵・・・?
『にい・・・さま・・・』
白雪・・・?
『アニキ・・・』
鈴凛・・・?
『兄・・・くん・・・』
千影・・・?
みんな、俺をまだ、必要としているのか?
・・・・・・そうか。なら、まだ、死ぬわけにはいかないな・・・。
龍也、亜矢さん、ゴメン。俺、まだそっちに行けない。
俺を必要と思っている、大切な大切な妹達がいるから・・・。
どうか、こんな俺たちを、見守ってくれないか・・・?
人が人として生きていけるからこそ、大切な物がそこにある。
他人から見れば、それはあまりにも馬鹿げているだろう。
だが、俺はその大切な物、大切さが今、わかったように思える 。
人の心は、大きな思い出の保存箱。
それが見える力があっても、俺は驚かない。
だって、みんなの心の声が、いっぱい聞こえるから・・・・・・。
俺はゆっくり目を開けると、視界の限界ギリギリまでみんなの泣き顔が映った。
―――みんな、いっぱい、いっぱい泣いたんだな・・・。
「お兄ちゃん!!」
「お兄ちゃま!!」
「あにぃ!!」
「お兄様!!」
「おにいたま!!」
「兄上様!!」
「にいさま!!」
「アニキ!!」
「兄くん!!」
みんなが一斉に俺に抱き着いてきた。そして、いままで以上に、大きな声で泣きはじめた。
俺は9人全員を、離さないように、しっかりと抱きしめた・・・。
――半ヶ月後。
「あれ?みんなもお兄ちゃんに呼ばれたの?」
可憐がついたところは、しらないお屋敷の前です。そこにみんなが困ったように立ってました。
「うん!おにいたまからメールでここに来てねって」
「でも、これどうやって入るのかしら?」
咲耶お姉ちゃんが腕組をして考えていると、突然、お屋敷のドアが開きました。そこにはお兄ちゃんが・・・。
「やあ、みんなご苦労様。つもる話しは中でしよう」
そう言って、お兄ちゃんはまた中に入ろうとしました。
「ちょ、ちょっと待ってよあにぃ」
「ん?どうした衛?」
「アニキ、その、この家はなに?」
「新しい遊び場ですか?アニキさん?」
「なにいってるんだよ衛も鈴凛もメカ鈴凛も。ここは俺たちの住む家だぞ」
「えええ〜〜〜!!!」×9
可憐、すごく驚きました。ここがみんなと一緒に暮らす家?
「ほ、本当なのお兄ちゃま?」
「わたくしたちの、家?」
「ああ。親父から手紙がきてな。ここに住めってさ。あ、そうそう、後外国から新しい妹たちが3人も来るぞ」
「えええ〜〜〜!!!」×9
またまた驚いちゃいました。可憐たちのほかに、外国にも妹がいたんだあ。
「に、にいさまそれじゃ、ここは・・・」
「本当の・・・私たちの・・・?」
「そう。ここが俺たちの帰るべき場所。そして、さよならがない、正真正銘の俺たちの家だ」
そうれじゃあ、可憐たちずっとずっと一緒にいられるんだね?お兄ちゃん。可憐うれしくて、涙が一粒でてきました。
数時間後に、新しい妹たちが来ました。
フランスからやってきた亞里亞ちゃん。イギリスからやってきた四葉ちゃん。ドイツからやってきた春歌ちゃん。
3人とも最初は少し緊張してました(特に亞里亞ちゃんは・・・くすんっと泣き出しちゃいました)けど、すぐに打ち
解けて、みんなと仲良くしてます。
お兄ちゃん、ありがとう。可憐、ずっとお兄ちゃんのそばにいるからね。
お兄ちゃん、大好き!!
作者コメント
初のSSです。
見直してみると、まだまだですね(^^;)。
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