それはもう、みんな知ってると思うけど、ある日の昼のことでした。
いつものように、笑っていいともがやってる時。奴は現れた。そう、機助である。
いつものこの時間に奴は必ず冷蔵庫の上から2段目あたりの引き出しからやってくる。
奴は11歳。いつもそこからやってくる。
学校には行ってない。つまらないからだそうだ。
でもようやくそんな機助が学校に行くようになったのも、どうやら機助のクラスのゴミ箱の中のゴミが捨てられたかららしい。
機助はいつものように担任の先生に抱きついたり、余裕で授業中にうんこしたり、テスト中にPS2をやっていた。
でも機助は天才だった。自分で言ってるだけだった。
もうクラスのみんなは知っていた。もうそんな機助にみんなも慣れていた。
そんな機助が興味をもったものがあった。
それは卵だった。
最初はそれを線香花火とかんちがいしたのだから驚きだ。
でも機助はバカじゃなかった。
テストはだいたい0点だったけどそれは、PSをやってたり勉強をしていなかったりするだけで、
もってるものとしては、かなりのものを持っていた。
機助は卵の研究をした。24時間ずっ〜と。
学校へ行っても先生の話も聞かず休み時間も家にいても、ずっと寝なかった。
ある時、機助は言った。
セブンイレブンは24時間営業してるけど、交代でやってる。僕は一人だと、と。
放課後、誰もいない教室でぽつりと言った。
そして地道な研究を重ね……。
その発表が屋上で行われた。
300人ぐらいは集まっただろうか。そんな感じで発表会は行われた。
急に機助は言った。
そこの君。今から卵を投げるから受け取れ。と言った。
機助はいきなり裸になった。そして投げた。
その人は受け取れなかった。その人の服は卵が割れて、ぐっちゃになった。
機助は言った。
ぼくが卵を投げることをわかっているのに君はうけとれなかった。
その人は、泣いた。悔しかったのだ。
だって……いきなり裸になるんだもん。
そう君は言いたいんだね。と機助は言った。
全くその通りだった。機助はやっぱり天才だった。
その卵をぶつけられた人が、後に東大理。に合格することなぞ、誰が知っただろうか。
その人に、機助は悔しい恥をかかせたのだから、機助はやっぱり、すごい。
そんなある日、またもや機助はしでかした。
急に学校を改造するとか言いだして授業中、電動ノコギリで壁をぶち壊した。
でも、機助はバカだった。3秒たって、電池が切れた。
やっぱりだめだったか〜。と機助は、こうなることを予測していたかのように言った。
でも機助は内心、あまりにも急な出来事にびびった。
先生は、ポンと機助の頭を軽くたたいて、こういうことは早めに先生に言うんだぞ、と先生は言った。
でも先生も内心、びびってた。というか、ちびってた。
さらにある時、機助はこんなことをした。
年に一度の学芸会。劇で機助は脇役だった。
主役にすると、とんでもないことになると先生はしっていたからだ。
練習では完璧だった。
そして本番。15分後に機助の登場だ。ステージの下。体育館は人でいっぱい。
しかし、機助ははやくやってきた。先生達は、やっぱり来たかと目をつむった。
まだまだ奴の出番じゃないのに。
先生達は全員しゃがみ込んで顔をひざにうずめた。もうだめだ。
機助はネクタイをしてあとは裸だった。場内からはどよめきの声。
校長先生はすでにいなかった。逃げたのだ。
機助の右手にはしっかりとはさみが握られていた。
いきなり、前にいる、主役の王子の髪を切りはじめた。
髪が次々とステージに落ちる王子はもう、気絶寸前だった。
涙を越えていた。
その時には、もう王子様の意識はなかった。
ステージにいたクラスの人達が止めに、かかった。と、その時
場内から、こんな声が大きく響いた。
おい!やめろ!その少年を止めるな。どうせこの劇なんかつまんないんだ。そいつにやらしとけ。と言った。
クラスの人達は、あっけにとられた。
先生は今にでも、そう言った人をなぐってやりたかった。
後で聞くとそれを言った人は機助の父らしい。
さて、機助はそれで調子にのった。機助はステージ上で叫んだ。
おい!うちの担任!こっちにこい!!と。
担任はドキッとした。もうみんなが見てる。担任は自分自身に落ち着くんだ。と言った。
担任は、ステージに足を運んだ。ここで機助を説得させれば、もうヒーローだ。
人気が上がる。英雄だ。注目をあびれる。担任はこれをチャンスと感じた。
いきなり、機助は担任の顔に大和のりを大量にぶつけた。
担任は頭の中が真っ白になった。さっきまでの野望が打ち砕かれた。
だめだ、機助はハンパじゃない。
見ていた機助の父も、気の毒に思い、ステージに来た。機助を説得するために。
機助の父は、ももひきに、パジャマ姿で、上半身が裸で、うでには鎖でたまごっちがかけられていて、
顔には子供に落書きされたマジックの跡。鼻の穴には、鼻血が出た時に入れたと思われるティッシュが未だに、入っていた。
今ごろ来られても困ります!!と担任は言った。
しかし、父は気にもせず、機助、飲み込めるガムをやる。と言った。
機助はめっちゃ喜んだ。担任も違う意味で喜んだ。
そして、教頭が学芸会続行不可能を宣言して、学芸会は幕を閉じた。
そして、次の日は、振り替え休日。しかし、機助は動いた。
みんながいない、今日こそ学校改造を、と。父と二人で実行した。
学校のイメージを変えてしまおう、と言った。からくり屋敷にしようと言った。
次の日…。児童は、みんな、固まってしまった。2階の廊下には20個の落とし穴。
各教室には、もう、ゆかがなくて、下の階に通じていた。
トイレには、テレビがたくさんあって、職員室には、フロが3つくらいあった。
校長先生は、もうすでに警察を呼んでいた。NHKの記者も来た。NHKの記者は落とし穴に、はまった。
機助は逮捕された。逮捕の決め手は、機助が警察に向かって君の家も、こんなふうにしてほしいの?と、聞いたかららしい。
数カ月後、警察署から、出られた機助。
彼がその時、目にしたものは担任だった。
担任は言った。
「ずっとここで待っていた。何ヶ月も。」と言った
その時、機助は、はじめて泣いた。
もう朝日が、照りつけている頃。いつものように、草花が風にゆれていた。