「はーい、ルール説明しま−す」
板木は快活な声で言った。
「ルールは簡単でーす。お互いに殺し合うだけ。反則はありませーん。最後に残った人、一人だけは家に帰れま−す。さらに総統陛下の色紙までもらえるんだぞ〜。すごいな〜」
 板木が指示すると、兵士たちが深い緑の色をしたナイロン地の、大振りなデイパックを運び込んだ。
「さて、これから一人ずつこの校舎を出てもらうんですが−、それぞれ出発する前にこの荷物を渡しま−す。中には多少の食料と飲料水、武器も入ってま−す。武器は同じものはありませーん。それぞれ違うものでーす。この荷物は上から順番に渡すから、誰にどの武器が渡るかはわっかりませーん。それとー、島の中にも武器が置いてあったりするのでー、それをみつけたらラッキーだと思ってくださーい。 それとー、他に入っているのは、この島の地図と磁石、時計、それに生徒名簿も入っているのでー、死んだ人はチェックしとけよー。
−あぁ、言い忘れてたけど、ここは島でーす。島の人たちには出ていってもらっているので、誰もいませーん。だから、気にせず存分に殺し合ってくださーい」
 板木は黒板に向かって妙な図形を描いた。
そして縦横を10に区切る線を入れて、右上に上向きの矢印と”N”の字を書き入れた。そして、横に向けて01〜10、縦にA〜Jと書き入れて、Dと06が交じわったところに×印を書いた。
「いいかー、ここがこの島の分校で、今君たちがいるところでーす。先生たち、ここにずーっといるからなー。みんなが頑張るのを見守るぞー。
この四角は一つ500m四方だかんなー。海で泳いでもいいけど、この全体の5?四方の枠からでるとー −はい、そこで役立つのが、みんなに着けてもらっているその首輪で−す。それはぁ、我が国のハイテク技術を結集して作ったもので−す。完全防水、防火、耐ショックでーす。決して外れませーん。それとぉ、この枠から出ると爆発しまーす。
あと、その首輪は、君たちの心臓の電流パルスをモニターしてぇ、君たちの生死をこの分校にあるコンピュータに電波で知らせてくれまーす。同時に君たちの場所も知らせてくれま−す。どうしてそうなるかって聞かれても、先生答えられませーん。まぁ、とにかくなるものはなるんでーす。
それから、午前と午後の0時と6時に、全島放送を流しま−す。そこで、地図に従って、何時からどこのエリアが禁止エリアになるか教えます。その時間になっても、そのエリアの中で生きている人がいたら、コンピュータが自動識別して、君たちの首輪に逆に電波を送ります。 すると−やっぱり爆発しちゃいま−す。
 少し間をおいて板木は続けた。
「ちょっと話を聞くの、疲れてきたかなぁ?もうちょっとの辛抱なー。家には勝手に入ってもいいけど、電話と瓦斯、水道は使えませーん。電気は使えるので、テレビは見れまーす。
それとぉ、放送だけど、それまでの6時間で死んだ人の名前もいいまーす。ちゃんとチェックしてけよ〜。それと、もう一つ。いつまでも誰も死なないんじゃ意味ないから、タイムリミットをつけまーす。24時間に渡って誰も死ななかったらー。それで時間切れ〜。優勝者なしの引き分けです。何人残っていようと、みんなの首輪が爆発するからなぁ〜」
 まだ、みんなが(少なくともほとんど全員だ)茫然としていたので、板木はパンパンと手を叩きながら言った。
「はーい。説明はそこまででーす。嫌かもしれないけど、他のみんなはやる気になってるぞー。はい、そこで机の中に紙と鉛筆が入ってるから出しなさーい。何か暗記するときは、書くのが一番です。書きなさい、私たちは、殺し合いを、する。三度書きなさい。はい、殺らなきゃ殺られる。これも三度書きなさい」
 くそ。できることなら、奴をこの場で殺したい。この鉛筆を心臓に突き刺してやる!
しかし、今はまだそう思うにとどまった。

[残り49人]



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