とんでもコウモリ


鳴いてる鳴いてる、虫が鳴いてる。
ぐるぅぅがぁぁるぅぅ
虫じゃない虫じゃない、これは虫じゃない。
なんだろななんだろな、一体なんだろな。
キョエーキョエー


生き物たちが寝静まった頃、一匹のコウモリが飛んでいた。
いや、それはコウモリというよりも羽の生えた人だった。
彼は、遺伝的にはコウモリに近いのだ、と豪語している。そして、ジンモリなどと恥ずかしい名前を名乗っていたりするのだ。

そして今、何のために空を飛んでいるのだろうか。
彼はきっとこんな言い訳をするだろう。
「私は化け物だ。化け物は何の意味もなく空を飛んだり、人を脅かしたりする義務がある。そして、夜中に動き回るのは基本中の基本だ」
そんなくだらないことを毎日考えているのだろうか。全く謎である。
なんにせよ、ジンモリは夜中に空を飛んでいるわけであった。
子供に発見されたら、きっと石を投げられるに違いない。
彼は待ちの中心まで行くと、中央公園のベンチの上に降り立った、仁王立ちで。
「怪人といえば公園! 泣き叫ぶ子供たち! 慌てふためく親ども! 爆発する砂浜!」
ベンチに仁王立ちしたジンモリは何やら叫び、奇声を上げ始めた。脅かしているつもりらしいが・・・。忘れてもらっては困る、今は真夜中なのである。
ジンモリはその重大性に気付いたのか、奇声を上げるのを止めた。
「む、やってしまったのか・・・」
ようやく気付いた模様である。
「さては、私の他に怪人がいるのだな!」
間違いを犯してしまったようです。
「許さん! 怪人対決だ!」
ジンモリさんは飛び立ちました。にっくき商売仇を倒すために。
・・・そんなもんいるかよ。
「見つけたぞ! 見たところ怪人アルマジロだな?」
見つけたのかよ!それも早っ!
「キシャーキシャー」
アルマジロは威嚇するように鳴き声を上げた。
ジンモリさんはなおも話し続けます。
「抵抗するのか! ならば死んでもらう! 抵抗しないって言っても殺すつもりだったがな。っはっはっは」
悪魔です、心のそこから悪魔なつもりです。
ジンモリさんは亜空間からプラズマショットガンを取り出すと、素早く構え、銃口をアルマジロに向けた。
アルマジロはよく分かってないらしく、依然に鳴いていた。
「死ねぇぇぇ!」
ばろぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉむ
なんか、それぽっい音と共にアルマジロはこの世から消えた。最後まで愛くるしい奴だった。
「強敵だった・・・」
ジンモリは昇り行く太陽を全身に浴びながら、どこか虚しいような気分に浸っているのだった。

とんでもコウモリは今日も行く、常識を越えて。




あとがき

さて!
今回のお話は
『ちょっと変わった人間にコウモリの羽が生えちゃった』
と言うお話です。
はちゃめちゃです。とっても。
コウモリの羽が生えたなら、普通の人間ならば病院にいくでしょう。
しかし、この変わり者は羽根が生えたことを当たり前のように振る舞い、当然のように怪人ぶるのです。

みんなも見習いましょう(核爆)