桜吹雪


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「闇と湖」

君が来たいと言った場所
気まぐれで訪れた

空は少し曇っていて
月明かりは照らしてはくれなかったけれど

微かに波打つ水面を
二人ただ、じっと見つめる

君は今何を想う?
私は今、君を想う

君の目を見るのが怖い
何を秘めているのかを
知るのが、怖い


・


「ぬくもり」

離れるまでの間
ずっと握っていた手

時が近づくに連れて
力強く

またすぐに触れられるはずなのに
今この時、離れるのが惜しくて

離した手には
ぬくもりが残った


・


「やくそく」

遠い先の約束
少し先の約束

どちらもかけがえのない、約束

たとえ意思だけの契りだろうとも
それは確かに、今、ここに


・


「全てを、捨てることができますか?」

想う人、愛する人

その人の為に、全てを捨てる事が
私には出来るだろうか?

君には、出来る?

全てを捨てる覚悟
その人を失うくらいなら、と

私には、出来るのだろうか
私には、わからない

捨てる事が出来るのが
一途と言う事なのか
それが、本当に愛すると言う事なのか

現実を捨て、愛に生きる
それは、正しいのだろうか

誰にも、わからないけど
いつか、そのぐらい想えるようになれれば、と


・


「青空」

通り雨の後
日に透かされた雲は白くて

雲間から見える空は
とても青くて

澄んだ空気

毎日が単調でも
つまらない日常でも

こんなにも、美しい景色が
すぐ、そこに


・


「桜花」

薄紅色のはなびら
満開の並木道

出会いの場所であり
別れの場所でもあり

桜には
美しさと、はかなさと


・


「落葉」

はらはら舞う
色づいた葉達

鮮やかな緑だった葉は
黄色に、赤に、色を変え
風に舞って、ちりばめられていく

まるで、人の心のように

繰り返し、繰り返し
色を変え、風に舞い
違う場所へと....

いつになったら、終わりに辿り着くのか
いつになったら、終焉を迎えるのか

それは誰にも、わからない
自らにすら、わからない

全てに永遠はなく
いつかは終わる

それが、今なのか、まだ先なのか
誰も、知る事は無い

永遠になるのか
終わりになるのか

全ては、自分自身

時には立ち止まることも
振りかえることも必要だけれども

いつまでも、そのままでは
何も見つからないよ?

変わることは怖いことなんかじゃない

恐れずに、前に進もうよ


・


その笑顔も
無邪気なところも
暖かな温もりも

未だ、忘れずに

望んではいけないのに
望んでしまう
貪欲さ

あたしにはもう、望む資格すらないのに

それでも
君に逢いたいと願う
君を想うと切なくなる

叶うはずないのに

だからせめて
君の幸せを願う
誰といようとも

その笑顔が、絶えなければそれでいい


・


これほどまでに想いが強いとは
自分でも思いませんでした

だから、まだあるのですね
あの指輪が

何度も捨てようとして
捨てられず

あたしにとって、大切なモノだから

君がいた、という証


・


「海よりも深く」

裏切りも
秘め事も
包み込む想い

それは激しく、深く
そして穏やかな

心から人を想うということは
そういうことなのですね

あたしが今まで持った感情の
全てを凌駕するような
深い深い想い

あたしには、持てるんだろうか?

過去に数多く人を傷つけ、裏切り…
そんなあたしでも、持っていいのだろうか?

いつかは
時間がかかったとしても
そういう風になれれば、と


・


「言えなかったとこ」

確かに、心の迷いだったのかもしれませぬ
それでも、あたしは
あたしが言った言葉達は
その時本心で想ったからこそ、伝えたのです

ただ、お互いにあまりにも状況が悪すぎて
あたしが、弱すぎて
耐え切れなかったのです
結局はあたしの弱さが全てを招いたのです

裏切りは最大の罪
あたしは一生背負う覚悟はできております

たとえあなた様が恨もうとも
あたしは構いませぬ
それがあなた様の幸せに繋がるのであれば
喜んで憎まれ役を買いましょう

あなた様の最後の言葉は
ずっと忘れませぬ
あなた様も、深い想いを持ってくださっていたのですから

こんなあたしを想ってくださったのですから


・


「街並」

古びた街並
行き交う人々
華やかな笑顔

あたしも、前はその中の一人で
その隣には、君がいて

通った道も
ご飯を食べたお店も
休憩に入ったお店も
そこにあった柱時計も
君と過ごしたホテルも
何もかも覚えてるよ

あの日は雪がはらはらと舞っていて
君は子供の様にはしゃいでいて

一人歩く今日も
あの時と同じ、雪が舞う

でもそこには君がいなくて
無邪気な笑顔は見えなくて

もう二度と戻れなくとも
忘れない


・












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