悪夢(前編)
私は、今まで人に対して特別に警戒したことはあまりないと思う。
だけど、この1年間で随分他人に対して敏感になり、警戒心を持つようになってしまった。
4月6日。
いつものように離任式と着任式が行われた。
今年こそ、若くて綺麗な女の先生が来ますようにと
密かにココロの中で祈ってたら、50代ごろの眼鏡をかけた女の先生が担任になった。
先生は私達とクラスに行った。
そして、黒板に大きな字で名前を書き始めた。
「貯藤えつこ」
先生が話し出した。
「先生の名前は、貯藤といいます。お金をいっぱい貯めるから、貯藤っていうんですよ」
と嬉しそうに話してくれたことを思い出す。
私ともう一人の女のコとその先生。
3人で一クラスの1年間は、きっと毎日楽しくなるはずだと、その時の私は思った。
だけど、幸せの女神は微笑んでくれず
幸福に満ちた1年間の生活は、全く逆になってしまった。
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