学校自慢
私の学校の自慢っていったら、
まず第1に生徒さんの優しさと純粋と、先生の優しさと思いやりが頭に浮かぶ。
病弱養護学校だからという、特殊な関係にいるせいなのか。
本当に、みんな純粋で優しかった。
福祉の現場とか言われるんだけど、
先生も生徒さんも、それをあまり意識してないように感じた。
何かわからないことがあったら助けてあげてるっていうよりも、
助け合うことが自然になっている、当たり前になってる。
そういう意識が、みんなの中にあった。
去年、生徒会の選挙の応援演説の中に、忘れられない演説があった。
みんな頑張って自己表現して演説していた。
その中に、とてもココロに残った応援演説をしている人たちがいた。
その年は応援演説者が先に演説して、後から立候補者が演説をするっていう形式だった。
多分、中学1年生のおんなのコだと思う。
応援演説者が先に演説して。。と、いつものように流れるのかと思っていたら、違った。
演説する場所に、1年生全員が行ったのだ。
とはいっても、Special Need School(養護学校)だから、1年生全員と言っても、たかが知れている。
人数にすると、たったの3人。
だけど、その3人の存在が、とっても大きいように思えた。
みんなは、応援演説をし始めた。
「僕達は、今から的場さんの応援演説をします」
「的場さんは、とても明るくて優しい人です」
「きっと、生徒会に入ったら、一生懸命にやってくれると思います。」
どうか、的場さんに清き一票をよろしくお願いします」
文章に換算すると、たったのコレぐらい。
演説には、数十分間の時間が与えられているのに、彼らがいったのはこれだけだった。
だけど、彼らの演説は、他の人たちよりもすごく重みがあったように感じた。
人がとても良いという点では、
他のどんな学校よりもスゴイんだという自信を持っている学校だったけど、
残念ながら、施設の面については、今一つだった。
私の学校には、体育館がない。運動場がない、プールがない。男女別のトイレすら無かった。
毎年のように生徒総会の時に本当に溢れかえるほどの要望が沢山出されている。
だけど、どれも現実的に無理な話ばかりが多かった。
お金がなかったから。
教育委員会の方に何度お願いしても、無理だと断わられ続けた。
だけど、他のモノは無理だとしても、男女別のトイレは実現することができた。
男女別のトイレの件は、批判や要望が他のどんなものよりも一番強かった。
本当は男女別のトイレなんて当たり前なんだけど、それがない。
みんな、本当に男女別のトイレを切実に望んでいた。
私が中学3年の時に、トイレの起工式があった。
中学2年の中頃から工事をやって、それがようやく完成したのだ。
当日は凄かった
なんと、くす玉やテープまで用意されて、
みんなで引っ張ると、「祝トイレ完成」という文字と共に、
中から沢山の紙ふぶきが舞った。
紙テープを切ると、みんな早速喜んでトイレに入った。
勿論、男女別のトイレに。
そして、みんなそのトイレで用を足した。
トイレから出てくると、みんな嬉しそうに「結構きれいじゃん!」「スゴイよねー」
と思い思いの言葉を言っていた。
今、母校の施設の面で自慢できる所は何処ですか?と聞かれたら
私は迷わずトイレです、と答えるだろう。
新しいトイレは、本当にきれいで、
冷暖房完備で、いろんな面で設備が整っていた。
勿論障害者向けのトイレだから、あちこち工夫が施されていた。
そういった、隅から隅まで、利用する側を配慮して出来たトイレ。
みんなが使いやすいことを一番に目的にしたトイレ。
こんなに優しいトイレは他にないと思う。
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