いじめ
その頃の私は、食べ物に関しても人に対しても好き嫌いが激しかった。
学校に転入してきて、すぐに何人かの友達が出来た。これは嬉しかった。
だけど、次第に一人の男の子のことを知らず知らずのうちに嫌いになっていった。
男の子は、沙誉ちゃん、沙誉ちゃんと呼んでくれたのに。
今でもはっきり覚えている。
その子の名前も、顔も、身長も。
ただ、性格はあまり覚えてない。
多分、私はどんな子か知ろうとしなかったんだろう。
段々、私はその子を無視したり悪口を言って仲間外れにしようとした。
だけど私以外の人は誰もやるはずがなく、私一人だけ、それをやっていた。
だから、当然すぐ先生にばれる。
いつも、6時間目が終わっても、担任の先生に図書室に連れて行かれ説教された。
先生から怒られている間、私は大粒の涙を流しながら声をあげて泣いた。
家でも、毎日のようにその子の親が電話をかけてき苦情を訴えて、母はすみません、すみませんといっていた。
けれど母から、先生から、どんなに怒られても、私はいじめをやめようとしなかった。
いつだったんだろうか。
気づいたら、その子は私の前から姿を消した。
別の養護学校に、転校したのだ。
大後になって、自分のしたことの重さがわかって謝ろうとしたけど、もう遅かった。
今の彼が何処の学校に通っているか、何処に住んでいるのか全く知らなかったから。
知ろうと思えば、幾らでも知れることができる。
ただ、恐かった。
ひたすら恐かったのだ。
今の彼の前に自分が立つことが。
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