花泥棒
小学4年になって初めて男の先生が担任になった。
今はもう定年退職されていないが、M先生という人だった。
先生は、眼鏡をかけて、ひょろ長く、ひょうきんな先生で、私はいつも先生と話てる間、
ずっと笑っていたのを覚えている。
M先生は、自分の家からグミの木やら珍しい花などを持ってきてくれた。
そして、中庭や玄関に私を連れて行って、こっそりと花の枝を切らせてくれた。
私が枝を切ると、「わー!沙誉ちゃんの花泥棒〜〜っ!」といってたけど
私に植物の切花の仕方を教えてくれ、植物に対して興味を引き出してくれたのは
他でもない、M先生だった。
だけど、そんな木森先生も、明英君には少し嫌われていた。
「明英君、君はどの先生が嫌い?」
「。。。ボク、M先生のことが嫌い」
「どうして?」
「だって、沙誉ちゃんにはやさしいんだけど、ボクには優しくないから」
こんな風に言ったことを覚えている。
M先生、あなたがもう少し、他の誰かを見ることができたなら、もっと良い先生だったのかもしれないのに。
少しだけ、残念だった。
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