遠い昔の記憶
ほんの十数年前の
それでも僕にとっては
遥か昔の記憶・・・


鉛色の雲が重く空を覆い
今にも雪が舞い降りてきそうな
北風が肌を切るような
そんな寒い日の事

当時小学校の低学年だった僕は
家の近所の公園で
一人サッカーボールを蹴って遊んでいた

そのころはヨーロッパでも
何人かの日本人が活躍し始めていたし
日本でもサッカーの大きな大会が開催された
それに僕の住む街にも
プロサッカークラブがあるという影響もあって
(J1とJ2を行ったり来たりする
さほど強くないチームではあったけれども)
僕もサッカーに入れ込み
プロの選手になることを夢見ていた

ボールを追い回し疲れ切った僕は
風邪をひかないうちに家に帰ろうと
足早に公園を後にした

公園を出ようとした時
植え込みの中で
何かゴソゴソと音がするのを耳にした
好奇心旺盛だった僕は
それが当然の義務であるかのように
植え込みを覗きに行った

その中に何か
蠢くものを見た

光があまり届かないので
最初はよく見えなかったが
次第に目が慣れてくると
そこにいるものが
やっと分かってきた



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