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灰色よりも少し暗い色の傘を買った。


一緒に買い物してた綾に

「以外な選色ね。夏美ちゃんはもっと明るい色が好きなのに」

そう言われた。


その通り。


でもこの傘の色を見た瞬間欲しくなっちゃったの。





彼色だったから。




はやく雨降らないかな?


はやく彼と歩きたい。




逆さ釣りにしたてるてる坊主。
はやく雨を降らせて下さい。




夜半から降り出した雨は雨脚は衰えたものの辛うじてシトシト降っている。
朝ご飯もそこそこに彼色の傘を差しながら家を出る。

差してみて初めて傘の襞が多い事を知る。

白いチェック模様もかわいい。




念願叶って彼と歩く。




嬉しくって傘の柄をクルクル回す。


「朝からご機嫌ね夏美ちゃん」

振り向くとかわいい曲線を持つ赤い傘を差した綾。

「綾らしい傘だね」
「そうかしら?ありがとう」

綾と並んで歩く。
雫が綾にかかると悪いから傘は固定。


でも彼と戯れたくて中から襞にでこピン。
弾かれた雨粒は小気味良い音を残して地面に落ちる。


折角綾と一緒に登校出来たのに会話らしい会話もせずに別れる。


「その傘夏美ちゃんにとってもお似合いよ」


爆弾発言を残して綾は自分の学校に向かった。



なんだか照れくさい。



綾は『傘』と、言ったのにあたしには『彼』って聞こえておかしな勘違い。




気を取り直して再び傘をクルクル回しながらゆっくり歩く。
学校に着いたら彼を閉じなきゃならない。



でも




学校に着けば彼にあえる。