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フラットのリビング。
夕食も疾うに終わりポツポツと皆床に就く時間。
普通より遥かに密着した状態の椅子に寄り添って座っている男女が一組。
「ハヤト君、もう寝ましょうか。」
女の方がそう催促すると男の方が駄々を捏ねる子供の様な声で
「え〜やだよ。まだアヤと離れたくない!」
そう言ったので女は思わず笑いながら
「離れるだなんて、壁一枚じゃないですか」
そう言い、男を見上げると
「もう少し。」
真面目な顔で見つめてくる男に照れて女はわざと明るい声で切り返す。
「ハヤト君ったら、聞分けないんだから」
「ああ、そうだよ?でもそこが好きなんだろ?」
女に倣って男もおどけた口調でサラリととんでもない事を聞く。
「―そこも、好きです。」
女もサラリと答える。
「アヤ―」
見つめ合う二人。

フラットに潜入して数ヶ月。
日に日に目のやり場に困る二人の行動。
若い男女のお互いの気持ちが通じるとこんなふうになるものなのかと溜息を漏らす。
いっそ自分も正直に気持ちを打ち明けてあの二人―異世界からの住人、ハヤトとアヤの様に振舞えたら・・・
そんな事を考えながら自室に戻ろうとしたキールはもう一人の異世界の住人、ナツミの部屋といってもアヤとの二人部屋の前で中からの話し声に足を止めた。
「今日もごめんね、ナツミ」
「やだなぁこんな事で謝らないでよ、リプレ。はい、アルバおやすみ」
「おやすみ!ねーちゃん!!」
アルバの元気な声が聞こえたとおもったら部屋のドアが中から開いた。
勢い良く部屋から飛び出してきたアルバはキールに気付き
「おやすみキール!」
そう一言残して駆けていった。
「コラ!アルバ、ドアは開けたら閉めなさいって―」
「もう、行ってしまったよ」
そう言いながら開け放たれた扉からひょっこり顔を出すキール。
部屋には以外に大人数が集まっていた。
「おやすみ、おねーちゃん」
「おやすみフィズ」
ナツミはそう言うとフィズのおでこにキスを落とす。
その様子を見てキールは怪訝な顔を机の前に置かれた椅子に腰掛けるこれまた異世界からの住人トウヤに向ける。
キールの視線に気付いたトウヤはやれやれといった顔をしてにっこり笑う事しか出来なかった。
最後にラミがナツミにキスを貰い
「おやすみなさい、おねえちゃん」
と、か細い声で言い、トウヤの前まで歩いていった。
「おやすみなさい、おにいちゃん」
トウヤはわざわざラミの目線に合う様に跪いてナツミと同じ様におでこにキスをして
「おやすみ、ラミちゃん」
そういいながら頭を一撫でした。 ラミは満足そうににっこりと笑ってトコトコと小走りで部屋を出て行く。
「何だい?今の」
「人間真新しい事には興味が湧くだろ?それさ。」
トウヤはキールの質問に解り辛く答えた。
「キールは見た事ない?ハヤトとアヤのおやすみの挨拶?」
リプレが少し言い辛そうに言う。
「いいや」
理解できずにそれだけ言うキールにこれよ、と言いながらナツミはリプレを手招きして腰掛けているベッドの隣に座らせる。
「おやすみ、アヤv」
低い声でそう言いナツミはリプレのおでこにキスをした。
「おやすみなさい、ハヤト君」
頬を紅くしながらナツミのおでこにキスを返したリプレの行動は演技なのか素なのかトウヤだけが気になっていた。
「ってやってんのを子供達に見られやがってフォローすんの大変だったよ!!」
まさに男勝りな言い回しのナツミにトウヤが続く。
「僕達の世界では皆がやってる事だよって教えたらオレにもアタシにも〜って、ね」
「あたし達の住んでた所ではそんな習慣なかったんだけどね」
「すっかり子供達は習慣漬けちゃって毎晩ナツミの所に通ってるの。」
苦笑しながらリプレが言った。
「もうそろそろ、第二陣が来る頃じゃないか?」
と、トウヤが言い終わらないうちにノックの音がした。
「マスタ〜入っていいですのぉ??」
いいよ、と言うナツミの声を聞くとモナティは部屋に飛び込んできた。
「おやすみなさいですの〜マスタ〜〜!!」
ベッドに座っているナツミに勢い良く駆け寄り押し倒しておでこにキスをするモナティ。
ナツミはモナティを押し退けてキスを返す。
「おやすみ、モナティ。」
「はいですの!マスター!!」
元気良く返事を返して近くにいたリプレに
「おやすみなさいですの!リプレさん!」
そういって今度は頬にキスをして
「トウヤさんもおやすみなさいですの〜」
トウヤのおでこにもキスを落とし
「おやすみなさいですの、キールさん」
キールの頬の下の辺りにもキスを残してモナティは部屋を出て行った。
モナティの去った後になってエルカも部屋に入ってきていた事に気付く。
エルカは仏頂面で立っている。
リプレがにっこりと微笑み
「じゃ、おやすみ。ナツミ、トウヤ」
そう言い残して部屋を出る。
キールもおやすみ、と一言残してリプレに続いた。
静かに戸を閉め、リプレはクスッと笑って
「エルカは恥ずかしがり屋さんだから。おやすみなさい、キール」
そう言って去って行った。
キールはふぅーっと、一息吐いて自室に向かう。
部屋に入るとソルが本を読んでいた。
無言でソルの背後に立つキール。
キールの気配に気付き本からキールに目線を上げ
「これ読みたいのか?」
と、言うソルに
「・・・いいや。おやすみソル。」
そう言って踵を返しベッドに潜り込むキール。
「え、もう寝るのか?珍しいな。」
いつもキールは四人の中で一番最後に床に就いていたのでソルは驚いた。
「ああ、なんだか、少し疲れてしまった。」
「・・・そうか。おやすみ、キール。」
「明かりはそのままでいいよ」
「それはどーも」
ソルは本の続きを読みはじめた。
少ししてカシスとクラレットが部屋に戻ってきた。
「あーびっくりした」
「いきなりなんだとおもってしまうわよね。」
クスクス笑いながらクラレットが言う。
ソルが二人に向かって静かにのジェスチャーを送る。
それを見ていち早く異変に気付いたのはクラレットだった。
「キール?具合でも悪いの?」
キールのベッドの傍らに行き彼の顔を覗き込む。
「そんな事ないよ。ただいつもより少し早めに寝るだけだよ」
柔らかく微笑みクラレットの頭を撫でるキール。
「ならいいけれど。おやすみなさい、キール」
キールはおやすみ、と返した。
クラレットはソルの近くに歩み寄り
「今日は私達ももう寝ましょう」
そう小声で言った。
ソルは快諾してカシスとクラレットに自分のベッド、二段ベッドの上に上がるように言い、二人が上に上がったのを確認して部屋の明かりを消し自分も床に就いた。
暫らくして皆の寝息が聞こえてきた頃、キールはまだ寝付けないでいた。
すると上のベッドから人、カシスが下りてくる気配を感じた。
下に下りたカシスはキールのベッドを覗き込んだ。
「カシス、眠れないのか?」
「やだ、まだ起きてたの」
もう眠りに就いただろうと思い込んでいたカシスは驚いていた。
「慣れない事はするものじゃないね。」
そう言って上半身を起こす。
「だいじょうぶなの?ホントに??」
「見ての通りさ」
更にカシスに近くに来るように言う。
ベッドに座ったカシスのおでこにキールはキスを落とす。
「おやすみ、カシス」
そう言ってカシスの頭を自分に引き寄せ撫でる。
名残惜しそうにカシスを引き離し横になり目を閉じる。
カシスが立ち上がった気配がしたとおもったらキールのベッドがギシっと音を立てた。
至近距離から
「おやすみなさい、キール」
と、カシスの声が聞こえたかと思うと唇に軽く何かが触れた。



その頃フラットの屋根の上ではトウヤとナツミが星を観ていた。
「もうそろそろ寝ようか」
「そう、だね」
笑顔でそう返したナツミだが、まだこの場トウヤの傍に居たかった。
それはトウヤも同じだが寝ない訳にはいかない。
トウヤはナツミの唇にキスを落とす。
「・・・でさ、ナツミ」
ナツミの首筋に手を置きながら話し始める。
「なあに?」
「昨日のアレは拙かったんじゃないかな?」
「うっ、やっぱり?」
「寝付けない時キスすると眠れるなんて言って。カシス信じてたよ。」
「だって〜〜」
「ハヤト達の事文句言える立場じゃないよ?」
あの二人は公衆の面前で堂々とし過ぎであって自分達はこうやって出来るだけ忍んでいるのに昨夜は偶々カシスに見られてしまったのであって 一緒にされるのは心外だったが敢てナツミは不平を言葉にしなかった。
くてっと頭を垂れるナツミの頭を撫でながら
「部屋に戻ろうか」
そう言って立ち上がりナツミをひっぱり立たせて二人は部屋へと戻って行った。





601番キリリク「トウナツ&ハヤアヤ&キルカシ」の入ったSS。
龍さん遅くなって申し訳ありませんでした・・・
しかも意味のわからない内容・・・
ぎゃふ。