レイド×アヤ







最近ものすごく気になる事がある。
異世界から間違いで召喚されてしまったらしい少女、アヤ。
この世界、リィンバウムの右も左も分からない彼女を保護して数ヶ月。
彼女の様子がおかしい。
少し前なら天気のいい日は子供達を連れて散歩に出掛けたりしていたのだが、最近は部屋に篭りっきりなのである。
まるでフラットに来た頃のカシスのようだ。
今ではカシスが子供達をなにかと外に連れ出してくれている。
食事の時顔をあわすがいつも眠たそうにしている。
寝る間も惜しんで召喚術の勉強でもしているのだろうか?
いや、召喚術のことならカシスと一緒に勉強するだろうから、どうやら違う。
カシスはいつでも元気いっぱいでとても夜更かししているとはおもえない。
ものすごく気にはなるが直接本人に問いただす勇気もなく、レイドは今日も剣術道場に向うのであった。

「アヤまたろくに寝てないの?」
自分の部屋に篭りっきりなアヤをみかねて無理矢理リビングに連れ出しお茶にしたはいいがマグカップを握ったまま眠りこけているアヤの肩を揺らしながらカシスが呆れた顔で言った。
「い、いえそんなことは・・・スー」
言いかけるが眠気がアヤを夢の世界へと誘った。
「そんなことあるんじゃないの!会話の途中で寝ちゃうんだから・・・あとレイドのだけでしょ?あたしが代わりに・・・」
「いえ!わたしの分ですから自分でやり遂げます!」
さっきとはうってかわってきっぱりと言いきり、後ひと頑張りしますね!と元気良く自室に戻っていったアヤを見送りながら
(なんで一番肝心なやつをのこしとくかなぁ〜・・・ま、最後のやつが一番出来がいいに決まってるしね〜) 
一人納得するカシスであった。

数日後。
アヤの様子が気になって夜も眠れなくなってきたレイドは直接本人に聞く決心をし彼女の部屋に行く途中本人と鉢合わせした。
「あ、レイドさん!丁度お部屋に伺うところだったんです。」
薄っすらと瞳の下にクマができているが、清々しい表情のアヤを見て少し安心した。
「コレ良かったらお使い下さい!!」
そういいながらアヤが差し出してきたものは、淡いグレイ色の手袋だった。
手の甲側には白い毛糸で雪の結晶の模様が編み込まれている。
「これ、は、手編み?」
手袋を受け取りアヤを見つめるレイド。
「わ、わかりますか?あ、あの!いつもレイドさんにはお世話になりっぱなしで何かお礼がしたいなぁ、と日頃から思っていたのですが、なにがいいやら色々考えた末自分で作った物をお贈りしようということになりまして、それでっ」
顔を真っ赤にしながらあたふたと一生懸命説明するアヤの様子をみていたら、自然と笑顔がこぼれてきて、さっきしようとしていた問いを答え付きで質問してみた。
「それで、寝ずに編んでくれたのか?」
「は、はい、編み始めると夢中になってしまって気が付いたら朝になっていたり。」
苦労をも苦労と思わずに満面の笑顔で答えるアヤに感謝と申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになったが、レイドのその顔は嬉しさで溢れていた。

後日、アヤの手編みの手袋はレイドだけに贈られた物ではないと判明し落ち込むレイドであったが、雪の結晶の模様が編み込まれているのはレイドの物だけだとレイド本人以外の知る所であった。

完☆

後書き
あぴん!!なんかあんまりラヴラヴじゃなくてごめんなさい。両想いにしたつもり・・・ちなみに手袋の編み方はセシルさんにアヤとカシスの二人で教わって、フラットのメンバー分を二人で編んだ。ということにしてます。感謝の気持ちを込めて。ここの所の詳しいほのぼのもいつかかきたいですなぁ〜(戯言)