閉じたレースのカーテンから振り注ぐ柔らかい光に誘われてカーテンと窓を開けベランダに出ると昼間の残暑の暑さが夜闇にほぐされ心地よい風が流れている。
半月より少し太った月。
「きれい」
自然と言葉が口をつく。
独り占めでは勿体無いと部屋に戻り携帯の短縮ボタンを押す。
呼び出し音が数回鳴る。
「あ、勇人くん?樋口です。」
「う、うん。どうした?」
「今、外見られますか?」
「ああ。でもなんで?」
「月がとっても綺麗なんです!!心なしか赤みがかかってる、というか、ピンクの月なんです。」
「ピンクぅ?ああ、言われてみればオレンジっぽいかも。」
「オレンジじゃないですよぅピンクなんです!!」
綾は力説しながら再びベランダに出て月を見上げる。
受話器越しに勇人が笑っているのが分る。
幸せな気持ちとは今この時感じているもののことをいうのだろうなとおもいながら再び言う。
「きれい」
「・・・ほんとにな」
そう言った勇人の存在が近くに在るような気がして上ではなく下を見下ろすと携帯を持った少年―勿論の事勇人と目が合った。
「あ」
「勇人くん!!」
「よ、よお」
片手を申し訳程度に上げる。
「今下りて行きますからっ」
綾はそう言って携帯を切り急いで階段を駆け下り外へと出た。
「今晩は」
「あ、ああ。今晩は」
綾は勇人の隣に立ち月を見上げる。
「ピンクですよね?月。」
「頑固だなぁ綾は」
勇人も月を見上げる。
ピンクの月の光を浴びながら少し熱った二人の頬を秋迫る夜風がやさしくなでていった。
突発です。
玄関出た途端おっきい月が目に入ってきて
「きれいだなぁ〜今日の月は白くないなぁ〜赤みがかってるというよりピンク?」
なんてことを考えながら最初はトウナツだったのにいつの間にかハヤアヤに。
今度はこの話を勇人視点で書きます(おっ断言した!!)。
設定的には付き合い始めた勇人と綾です。
どの話にも今のところリンクさせてません。
いつかはさせるかもです。ハイ。