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今朝の約束を守るべく籐矢はお泊りセット持参で勇人の家に到着した。
勇人の母親に迎えられ、今晩お世話になりますと挨拶し勇人の部屋に向かう。
二階の勇人の部屋をノックし返事が返ってきたので戸を開く。
「今晩は。籐矢君☆」
籐矢は部屋の中に入らず戸を閉めた。
すぐに中から戸が開く。
「どうしたの?籐矢君。なんで閉めるの?」
「は、橋本さん?なんで、ここに??」
「いちゃいけない?」
籐矢は部屋の中の勇人に視線を送る。
勇人は必死に笑いを堪えていた。
「いけないことないけど、驚いた。」
夏美に苦笑いを向け部屋に入る。
「あはは。あたしもだよーまさか勇人と籐矢君が友達だったなんてね。」
どういうことだといわんばかりの視線で勇人を睨む籐矢。
「言ってなかったけどな、俺と夏美、義兄妹なんだ。」
「そう!あたしのお兄ちゃんと勇人のお姉ちゃんが去年の春に結婚したの。」
「聞いてないぞ。」
「だから、言ってなかったって言ってるだろが。」
してやったりと会心の笑みを籐矢に向ける。
籐矢は色々文句を言ってやりたいところだが夏美がいるので我慢した。

「籐矢今日俺んち来るか心配してたんだぜ?」
「?なんで」
籐矢はそう聞き返しながら荷物を置き座る。
「今晩夏美と宜しくやるんじゃないかとおもってさ」
「何だ?それは!どういう意味だ!!」
籐矢は顔を紅くして叫ぶ。
「あたしも。てっきり今日の放課後何か言われると思ったんだけどね、何もなかったよ」
ケロリと言う夏美に籐矢は固まる。
「実はね向こうでクラレットが解放してくれたの、記憶。」
夏美は籐矢の隣に座り顔を覗き込む。
「あたしのこと好きって言ってくれたよね?」
籐矢は必死に頭の中を整理し、言葉を捻り出す。
「う、うん。」
「もう好きじゃないのかな?」
小動物のような顔で哀しそうに籐矢を見つめる。
「好きです!!」
思わず夏美の目を見据えて叫んだが我に返って固まる。
夏美の顔が緩み笑みを溢す。
「エヘ。あたしも、好きだよ。」
籐矢も釣られて顔を緩ませる。
見つめ合っている二人の肩にバシッと両手を置き
「きれいに納まったところで誓いの口付けを!!」
そう言った次の瞬間勇人は籐矢の鉄拳をくらう。
「茶化すな。」
「あは。籐矢君も、ね。」
勇人が腹を抱えて苦しんでいる隙に夏美は籐矢の唇に口付ける。
「ちょっと、だいじょぶ?勇人。ガードが甘いからだよっ」
「予想外に腹にきたもんだから・・ひでぇよ、籐矢」
何事もなかったかのように振舞う夏美に対して籐矢は暫らくの間固まっていた。



END