| 「あんた、面白くないのよ」
1ヶ月まえ、恋人からの突然の別れ言葉がこれでした。
ええ、確かにわたくしは実直真面目だけがとりえのしがない公務員でございます。
ちなみに趣味はルアー作り(ただし自分では釣らない。作るのだけが好き)でございまして、なるほど女性からすれば面白みのない趣味かもわかりません。
しかし、しかしです。
結婚を決意して給料数ヶ月分の指輪をプレゼントして、彼女も受け取って、
その直後にこの言葉。
あまりのショックにわたくしは彼女がその場から立ち去っていたことにさえ気づきませんでした。
なんたること!
わたくしの人生で初でございます。
「面白くない」
そんな理由で・・・・。
そこでわたくしは考えました。
要は、面白ければいいのだと。
そしてこの1ヶ月、わたくしは研究し、修練してまいりました。
そう、お笑いの習得を。
・・・血のにじむような日々でした。
そしていよいよ本日、わたしは一世一代の勝負に出ます。
彼女にもう一度、面白いわたくしを見てもらうのです。
さあ、勝負だ、自分。この、このインターホンを押して、彼女にわたくしを面白いと
言わしめるのだ。頑張れ、わたくし!
ぐっと、生唾を飲み込み、わたくしはインターホンに指を置きました。
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