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その小人たちは屋根裏に住んでいた。
昔は山の中に住んでいたものだったが、最近はどんどん山がなくなり、民家の屋根裏に住む小人がふえてきたのだ。
住んでみるとそこはなかなか住みやすいところだった。
なにしろ食料に困ることがないのだから。こうして今ではほとんどの小人が屋根裏に住むようになっていた。
さてそんなある日、とある屋根裏でこんな会話が繰り広げられた。
「ポックルや、もう暗くなったから寝なさい」
「はーい、おじいちゃん。でも僕まだ眠くないのにな。何か光るものがあれば、夜になってもいろいろできるのにね。」
「そうじゃのう。光るものか。昔おじいちゃんがまだ山に住んでいたちっちゃいころは蛍をガラス瓶に入れて明かりにしていたものじゃがなあ」
「蛍??」
初めて聞く言葉にポックルは興味深々だ。
「そうじゃよ。きれいな川には蛍っていう、夜になると光る虫が現れるんじゃよ」
「へー、虫が光るの?僕見てみたい!」
「それはそれはきれいなんじゃよ。でも今はもうきれいな川自体が少ないからのう。残念じゃが、この辺では見られんだろうなあ」
「どこだったら見える?どこに行ったら見える?」
ポックルは蛍が見たくて仕方ない様子である。しかしおじいちゃんはそんなポックルをなだめるように言った。
「隣の町にはまだ山や川が残ってるって聞いたが、必ずいるとは限らんしのう。また話を聞かせてあげるから、今日はもう眠りなさい」
ちょっと悲しそうなおじいちゃんの顔に気づき、ポックルは素直にうなずいた。
しかしベッドに入ってもポックルはドキドキしてしばらく眠ることができなかった。
「隣町か。ちょっと遠いけど、そこに行ったら蛍が見えるかもしれないんだ!」
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