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休日の過ごし方 |
ん・・・・?
げ、俺寝てた!!!
慌てて状態を起こし、声の主を確認する。
「おはようございます・・・・いつからこちらへ?」
「あ・・・。」
涼子・・・・。
「なんで君が?」 「だって今日月曜日でしょ?・・・・約束したじゃないですか。」 「・・・約束?」 「月曜日に、ここで会いましょうって。」 「あ、」 「光さんったら、忘れてたんですか?」 「いや・・・・あ・・・・。うーん。」
そういえば、ここで約束したんだった。 他の女になら、軽く言い訳ぐらい出来るのに、、、、調子が狂う。
「・・・・でもお会いできてよかった〜。
「もしかして、朝から俺来るの待つつもりだったの?」
頬を赤らめて、小さな本を差し出した。 気が付けば、俺は涼子の手を握っていた。
「光さん?」
「・・・・ごめん。」
ほかの人は、お休みの日っていうと、 お出かけとか、ショッピングとかって楽しそうにしているんでしょうけど、 私は何だか、何もする気になれなくて・・・」
まぶしい光に目を細めながら、独り言のように涼子は言う。それを光はただ黙って聞いていた。
「お休みの日はいつも、病院にいって、家に帰る。 ただそれだけ。 何もする気にはなれないんです。 病院を出た後はいつも重たい気持ちになるんです。 予定のある休日って、楽しいものですね」
自分の中の鬱々とした気持ちを振り払うように、涼子は笑顔を光に向けた。
「君は強いね」
心の奥の痛みなど微塵も見せない涼子の笑顔を、朝日と同じ位にまぶしいと感じながら、光はポツリと漏らした。しかしその言葉はひどく小さかったので、涼子の耳にはただ音としか届かなかったらしい。
「え?」
という表情で、微風に乱れる髪を茶色い手袋をした手で押さえながら尋ねた。 「いや、・・・じゃあ、今日はこの後病院に行くの?」 光はそのまま、話題を変えた。 「え?ええ。午後から」 「どこか悪くしているの?まさか、病気?」 「いいえ。そうじゃないんです。身内が入院していて・・・」 その言葉に光は少し驚いた顔を作った。 「ごめん、知らなかったから」 「いえ、いいんです。母が、ずっと入院しているんです。 でも、入院しているだけで、症状が悪化したりはしていないんです。 そんなに気にしないでください」
慌てて涼子は両手を振る。 相手の気を悪くしたんじゃないのかと、彼女は自分の軽率な発言を恥じたらしい。 そんな彼女の仕草を、素直に可愛いと思いながら、光はおもむろに手を伸ばした。 そしてそのまま、彼女の右手をとるとまっすぐにその顔を見ていった。 「じゃあ、今日はせめて病院に行くまでの間、どこかに出かけようか」
「どこへ行きたい?」
「そうですね・・・・。光さんは?」 「実は俺さ、ここ何年も女の子と昼間どこかへ行くってことしてなくて・・・。 どうするかな〜。とりあえず、ここは寒いから・・・・。」 「あ、私行ってみたい所があったんです。いいですか?」 「もちろん。どこ?」
「ふふっ、着いてからのお楽しみです」 そういいながら、彼女は歩き出した。 彼女のつややかな髪が、その歩調に合わせてかすかに揺れる。 その光景にまぶしさを覚えつつ、光もまた彼女の歩調に合わせて歩き出した。
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story by さし美 + 仁々 + 光 |