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いつも、斜め後ろから見ていた。
黒髪の掛かる細い肩。白い華奢な指。
それとは対照的にまっすぐな意志の強い瞳。
神聖な存在。
その髪に、肩に、指に触れる事など出来ない。
あの瞳に嘘などつけない。
あの日、彼女の腕の中に見えたヴェルレーヌの詩集。
すこしでも彼女に近づきたかった。
図書館で手にした詩集の「よく見る夢」の一節。
そのひとは僕を理解し、そのひとにだけ僕の心は透明です。
そのひとにだけ僕の心は不可解でなくなります。
僕の青ざめた額の汗も
そのひとだけが涙で清め得るのです。
光、ストーカーですか?
story by 光
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