メイの百人一首  Page1

100人の詩人たちから助けを借りて詩を書いてみました
(注意:和歌の本来の意味と詩の内容は違います)


「逢ひみての後の心にくらぶればむかしは物を思わざりけり」
         by権中納言敦忠(ごんちゅうなごんあつただ)

あなたに出会い
あなたを愛し始めてから

冬の夕日が沈むとき 
振り向いたらそこにあなたがいたらと願ってみたり
夏の朝日に目覚めるとき
あなたの夢に私がいたか望んでみたり

そんなことを思ううちに
私の心の感度は高くなり
気持ちがどんどん豊かになって
季節をもっと感じるようになっている

そして少し前までなんとも思わなかった木々の揺らぎも
自分の命の長ささえも
時間をかけて考えるようになった

そして 今の私 ほらね 
こんなに沢山のことを考えられるようになって
明日が楽しみになっているの


「きみがため春の野に出でて若菜つむ我が衣手に雪はふりつつ」
                    by光孝天皇(こうこうてんのう)

あなたにどうしても季節を伝えたくて
今年一番早い緑をを見せたくて
僕は外に飛び出した

ぼたん雪の舞う中
あなたが好きだと言った春の緑を探しに…


「明けぬれば暮るるものとは知りながらなほうらめしきあさぼらけかな」
              by藤原道信朝臣(ふじわらのみちのぶあそん)

一緒に目覚めた朝
決まって飲む2杯分のコーヒーを入れ
シャワーを浴び終えたあなたに差し出す
マグカップを手に微笑むあなたの素顔に
いつも今日が最後と気持ちを決める

そして涙なんか流してせっかく決めたアイメイクを崩さないよう
鏡を見つめる振りをして
今日は先に仕事に行くからとぽつんと言ってみる
今夜またきっと来てねという思いを込めて

「春の夜の夢ばかりなる手枕にかひなく立たむ名こそ惜しけれ
                    by周防内侍(すおうのないし)

目が覚めて枕もとに手を伸ばし携帯を手に取る
夕べ留守電にいれてくれたメッセージを大事にもう一度聞いてみる
一晩じゅう読みつづけていた長編のラブロマンスの
主人公役はあなたにしていたら
終わりを告げぬうちに何時の間にか眠りに落ちて
朝が来てしまったのだけど

あなたとの恋のゲームは待つばかり
どうせいつか終わるものならば
一度は幸せな気持ちにさせてよ


「忍ぶれど色に出でにけりわが恋は物や思ふと人の問ふまで」
                    by平兼盛(たいらのかねもり)

昼休みの賑やかなひととき
ベンディングマシーンから取り出す紙コップ入りのコーヒー
いつも気がかりなのはランチ仲間のあの子
最近化粧が変わったかなんてどうして聞くの
少しだけみんなと過ごす時間を減らしただけで
探りを入れてくるあの子はなんなの

まだ誰にも教えていない
私と彼とのやさしい秘密を
あの子は気付いているのだろうか


「わが袖は潮干にみえぬ沖の石の人こそ知らね乾く間もなし」
                byニ條院讃岐(にじょういんさぬき)

さようならと言う言葉の重みを
今になって感じている
自分から言うなんて
どうしてあんなことしたんだろう

去っていったあの人のように
さっそうと舞う1羽のかもめに聞いてみる
私の涙は空の向こうからも見えてしまうの?

風に負けない強い翼を私も持ってみたい
海の底の石のように濡れて沈んだままのような
こんな気持ちでいたらいけないと知っているから


「来ぬ人をまつほの浦の夕なぎにやくやもしほの身も焦がれつつ」
            by権中納言定家(ごんちゅうなごんさだいえ)

もう少し待ってみようか
白い犬を連れた君を

砂に埋もれてしまいそうなスニーカー
何度もはたき 打ち寄せる波を数え
ヘッドホンのボリュームをもう少しだけ上げて
空いっぱいに広がる青い空と雲の戯れを眺めながら…

もし君の横に誰がいても かまわない
ううん きっとかまわない
僕はきっと知らない人のように振舞うだけさ

だからもう少し待ってみることにするよ
夕暮れが迫るまで
夕暮れが迫るまで


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