引力

 

やがてまた満ちてゆくお月さま
夜毎に空は明るくて
影が鮮やかになればなるほど
寡黙な引力に 私のすべてが
少しだけ軽くなる

空を飾る星たちに守られ 
やわらかな光に そっと 届かない息を吐けば
心に刺さっていたかけらが 小さな音をたて
割れて にじんで 
消えたような錯覚

未練とか 後悔とか 妥協とか 
時折り覗く幾つかの悲しい言葉は
今なら この月の下なら 聞こえない

この夜の澄んだ空気に吸い上げられて
みんな みんな 透き通っていく

 

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