結末

ガラスのテーブル
かすかに流れる軽音楽に紛れるようにして
ありふれた台詞をあなたがつぶやくのを
じっと眺めていた私

「君に会い続けていると
俺が俺でなくなっていく気がする
だから今でも君を愛しているけど
二人だけで会うのはよそう」

目をそらさないで
今のこの瞬間から
悲しい結末を迎えるドラマになった
二人だけの最終回なのだから

せっかくのコーヒー
優しく時は止まったままで
口を付けることも忘れている

今更どんな言葉を付け加えても
どんな笑顔を作ってみても
冷めた白いカップに
過ぎた時は刻まれて
落ちた涙が音もなく溶けゆく

どうか涙が止まるまで
どうかそのタバコが燃え尽きるまで
もうすこしだけ・・・
私から目をそらさないでいて

立ち上がって店を出れば
あなたの望むとおりの
挨拶だけの二人なのだから


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