霧雨の朝

 

翼に湿った風を楽しみ
霧雨の空に鳥がさすらう

見つめる先は河口に見える 色の少ない海

人の行き来も見ず
今日は何をと 思い煩うこともなく

ただ夏の前のひんやりとした朝
時折 仲間の近くを旋回し

己れの居場所を確かめる


足に川面の冷たさを受け
水草の合間に鳥は舞い降りる
見つめる先は波間に映る空
翼をたたみ 水面をつつく

ただ夏の前のひんやりとした朝
時折 空の下のこの世に気づき
己れの姿を思う



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