三日月
夏の終わりが見えてきた夜
君が優しく そしてさみしく教えてくれたことは
明日から届かない携帯電話は
旅だちの準備に集中するため
週末いよいよ日本を離れる君の横顔は
街灯の淡い光を受けてあまりにも神々しい
そんな君にとても聞けない
「待っていていいか」なんてなぜか聞けない
本当は君に決めて欲しかったのに
「見送りに来られるとボクは旅立てないから」と
人が過ぎ行く道なのにかまわず
私を抱きしめる君の肩越しに浮かぶ月
細く細く私の目の中で溶けてゆく
どうして私も言えないの
「ずっと待っている」と心が叫ぶ
そのたった一言をのどで抑えたら
小さく でも 強く心の中ではじけてゆく
私はきっと見送りに行くの
今は大きな夢がすべての君の心に
少しでも残れることが私の本当の願いだから
周り全ての人だけでなく
あなたをも困らせてしまいたいくらい
私は君を愛しているから
そして
それでも君が何も言わないまま旅立つのを
見届けたいから
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