見知らぬ街
夏の雨が暗い空から車窓を叩く
まだ昼前だというのに
信号で止まるたびに
助手席の地図を手に取り
道を確かめる
社交辞令でも冗談でもなく
本当に会いに来ました あなたに
見知らぬ街 ちょっと不安
連絡したら きっと構えてしまうだろうから
そう思って連絡しないままに出てきました
ランチで外出中かもしれない
誰かと話しているかもしれない
ううん それでもいいの
新しい街にいるあなたが元気にしているかだけ
ひょっこり顔を見せた私に
驚いてほしいだけ
大粒の雨が叩く中
お気に入りの傘を開いて車から降りる
あなたのいる部屋のガラス窓をそっと覗き込んだら
私を見つけて満面の笑顔
社交辞令でも冗談でもなく
用事があって近くまで来ました
社交辞令でも冗談でもなく
本当に会いに来ました あなたに
社交辞令でも冗談でもなく
ずっとあなたに会いたかった
見知らぬ木々が優しく見えた
夏の雨の街
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