手袋 箱を開けるとそこには あなたの手に触れた手袋ひとそろい しなやかな手触りに 二人で笑った日々が蘇る つなぐ手が人通りに紛れた改札口 風に頬を包んだ海岸通り 白い街を見下ろした観覧車 「あったかいね」 二人の息遣いを吸いこみながら 私と一緒にあなたの胸に 抱きすくめられていた手袋は 独りぼっちの私の前で 優しい色で今年の雪を待つ
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