すっかり白い髪を
温かい布地で覆った女が
空からの光ふりそそぐ大地に
立ってつぶやいた
「教えてください」
女が人を愛し妻となり
母となって新しい命をこの世に生んだ
その理由を今こそ知りたかった
やがて家族が彼女の元から離れ
こうして一人残されている理由を
今こそ女は知りたかった
夫は
国のためにと戦で命を散らすとき
女の名前を叫んだ
息子も
聖戦を信じて旅立つとき
母である女を抱きしめていった
けれども
女は時が経ってから
二人の最期の知らせを聞いただけ
家族の骨の眠る この国の大地には
天にまします神が
鳥に蒔かせた花の種
いつか女のほほから落ちる涙で
花が咲いた時
誰がその花を踏もうと
どこかに埋められた地雷が
それでも沈黙を守ろうと
天にまします神はまた
新しい花を咲かせるために
太陽の光を注ぐから
女の髪を包む布地は
いつまでも静かに温かく
また新しい祈りがそこから生まれていく
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