惨句集  2001年 弐月

2月4日からは春です。実感とは一ヶ月の差があります。
でも出来るだけ当日の季語を使って行こうと思います。

 
1 春近し豹柄のミニ押し通る
2 しみじみと肖像も視ず福翁忌
3 吾の外豆打ち追はる鬼も無し
4 なのみはるかなたゆきふりゆくはわれ
5 薄氷指で押す鳥空を舞ふ
6 春の雨傘をさす人ささぬ人
7 寒明けてピンクのハート其処此処に
8 峠過ぎ残る寒さのボディブロー
9 絵に成らぬ恋はしまいぞ猫の夫
10 春の宵枝は静かに重くなり
11 古草の覆ふ堤をよたよたと
12 放たれし風船一つ躊躇ひぬ
13 勝家の睨めし雲あり涅槃雪
14 春寒や妻の「義理」には如何応ふ
15 樹の下の青色シート西行忌
16 春愁の似合う娘に愁ひ無し
17 春の蠅リビング狭く往き惑ふ
18 佐保姫の遅参叱るな化粧中
19 悪鬼から遁れて後の朝寝かな
20 ベランダのシャツも春日の中にあり
21 愚痴止みて春菊泳ぐ鍋と成り
22 突然甲冑大仰戦士達
23 気紛れに弄ばれて春の風邪
24 亀鳴くや恐竜出でし昨日の海
25 高熱に魘されてみる春の夢
26 一難を片隅に措き春の色
27 永き日のさりとて何もはかどらず
28 感慨の無く雨の降る二月盡
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