惨句集  2001年  参月

春の季語は馴染めません。どこか明るい気分を持っています。
精一杯ひねくれて詠もうと思います。


1 覚悟なく三月の陽に晒されて
2 メール打つ序に向かふ大試験
3 今はもう押入に座す一対
4 窓叩く春北風何を告げむとす
5 啓蟄の地には重たき空気あり
6 春暖炉今朝は大きな顔で居り
7 意地なりや棲み難く咲く蒲公英
8 春塵や涙鼻水同じ物
9 退避する先はて何処春一番
10 誤魔化せる人を羨む納税期
11 凝固する街並を背に咲く
12 看板を付替るらし寒き春
13 再びの「仮」進級の我が娘
14 冥きこと多き紙面の花便り
15 熊穴を出て後悔頻りなり
16 「七色」の蛇穴を出で釣果問ふ
17 虫穴を出て一撃昇天す
18 爆弾を仕掛け終へたるかな
19 今更に何をうろたふ春うらら
20 突然のさくら造花と見誤る
21 龍天に吾パソコンの裏探る
22 歳時記や馴染めぬ季語の多き
23 やうどんの鉢で何の謎
24 白れんや無駄に明るき人の行く
25 目を細め読む苗札に植ゑし人
26 初蝶や方十間の畑に舞ふ
27 紫木蓮揃い見上ぐる階無人
28 性急なに威され呻吟ぶ街
29 春曉や悪夢の後の人心地
30 千年を隔つ同病花朧
31 春落葉ばさばさばさと潔く
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