惨 句 集  2001年  四月

男肥えて何春愁ぞ楽器弾く 清一郎

四月はそんな月です。
歳時記には夥しい数の花の名前が並んでいますが、
多くその姿と合致しません。
せいぜい桜の花に死臭を感じるのみです。


1 花の香に物云ふ花もはなやぎて
2 太閤も醍醐の折は花疲れ
3 逃げ水や賽の目六つ迄と知る
4 惜春や亦一人逝く「M・J・Q」
5 清明や心の塵は其処此処に
6 花片の童に付きて走り居り
7 花の色百年続く病無し
8 天上は知らず天下はさかり
9 照さるる身もまた朧月夜かな
10 のどけさや一寸先は見づにおく
11 日うらうら無神論者の神頼み
12 しなやかに又したたかに泣く
13 井底にちひさき夢を見る
14 行く春や口笛虚ろレフト・アローン
15 れる忍ぶ恋など知らぬげに
16 存在の気恥ずかしさよ風光る
17 「大川」の岸辺集ひて春送る
18 騒ぎなど知らぬ存ぜぬ葱坊主
19 七重八重櫻におもひ重ねたり
20 蒲公英の絮七階に屍看る
21 飛交う鳥は忙し花曇
22 ただ怠惰めかる蛙に罪を着せ
23 時うつる関のむかふの桜花
24 緩慢に動くワイパー木の芽雨
25 花過ぎの思ひ出話億単位
26 葬列の躑躅溢るる道を行く
27 ジョーカーを遣ひ延命竹の秋
28 ふらりふらふらり如何したの
29 何度目の結婚記念日?花の果
30 四月尽一日一句四苦八苦
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