惨 句 集  2001年  五月 

おそるべき君等の乳房夏来る  三鬼
5月5日から夏です。
最近の様に下着(のような)姿で街中を闊歩する若い女性が多いと、
男にとって夏は先ずこの句のように感じられます。
だからと言う訳でもないのですが、夏はこの歳になっても好きな季節です。
春秋は快適です。冬は萎縮させます。夏は季節が、酔わせてくれます。


1 のどけさや娘は学校に妻会社
2 やはらかくさとすやふなる春の雨
3 石ならぬ心にふるる春の泥
4 行く春や娘居ぬ夜のぎこちなさ
5 絵に描いたシアワセ遊ぶ子供の日
6 水蟲や腐れ縁とはよう云ふた
7 仲間顔とは洒落臭い御器噛
8 葉櫻の狂気は密め雨の中
9 冷酒で独り寿ぐ誕生日
10 青春は卯の花腐し不登校
11 金魚また主は識らずふらと去る
12 美形なら出るも似合ひの夏柳
13 母の日に歌声はなしペリー・コモ
14 夏めくも呑む口実のひとつなり
15 ともかくも先づは麦酒の頃となり
16 夏風邪と自ら診立て不貞寝する
17 微熱帯ぶ軆に涼しスタン・ゲッツ
18 ふしぎやな娘慢性五月病
19 短夜や往くすゑ語る口重く
20 名を知らぬ小鳥と出遭ふ夏日向
21 万緑や疑へと云ふD・N・A
22 CD択ぶ指の惑ひや走梅雨
23 青時雨遅き歩みに罪ありて
24 狭き田の代掻く車見得を切る
25 香水の香誘ひともバリアとも
26 営業車緑陰択び休みをり
27 蒸しタオル顔面拭ひ去るやうに
28 職離る妻昼寝する六畳間
29 外寝する聖の憂ひ漠として
30 燻ぶ街自動機唸る薄暑かな
31 角を捨て飛車切りて飲む新茶かな
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